金正恩氏の暴走が先軍政治を超える時 (2/3ページ)
ある時は、生粋の党人が軍に自分の存在をアピールするためか、軍服を着て参拝することさえあった。下の写真を見て欲しい。昨年12月17日に金正恩氏が錦繍山太陽宮殿を参拝した際、周囲は全員が軍服姿だった。

このうち正恩氏の右隣に立つ黄炳瑞(ファン・ビョンソ)氏は、朝鮮人民軍総政治局長だ。名称こそ朝鮮人民軍となっているが、党が軍を監視、指導する組織である。右端の金元弘(キム・ウォノン)氏は、秘密警察である国家安全保衛部(現在は、国家保衛省)のトップ。国家安全保衛部は、国防委員会(現、国務委員会)直属とされているが、事実上は党の命を受けて動く。黄炳瑞、金元弘の両人は党人と言って差し支えない。
次に上の写真からちょうど1年後、今月17日に北朝鮮国営メディアが配信した参拝時の写真を紹介する。

先述のように、最前列から後ろ3列あたりまで、軍服姿の黄炳瑞、金元弘氏を含む党人で占められている。軍服姿の軍人とみられる参拝者らは党人らの後ろのほうに見られるが、意図的に後ろへ追いやられていると見て間違いない。その一方で、最前列右端に崔龍海(チェ・リョンヘ)氏の姿が見える。彼は金正恩氏の側近の一人だが、「変態性欲者」であるとの情報もあり、極めて評判が悪い。正恩氏はそうした人物を目立つ位置に立たせているのだ。
金正恩氏の軍に対するこうした冷遇ぶりは、今年から顕著になりつつある。正日氏の生誕記念日である光明星節(2月16日)に、北朝鮮国営メディアは、金正恩氏と李雪主(リ・ソルチュ)夫人が錦繍山太陽宮殿を訪れた様子だけを報じたが、軍幹部を含め、随行者と参拝した様子は報じられなかった。