金正恩氏の暴走が先軍政治を超える時 (3/3ページ)
金日成氏の生誕記念日である4月15日の太陽節には、従来と同じく軍服姿の朝鮮人民軍メンバーと参拝した様子が報じられたが、7月7日の命日の参拝の報道では、朝鮮労働党中央委員会の各副委員長のみが随行し、軍服姿の軍人は一人も見られなかった。
金正日時代は先軍政治のスローガンの下、我が世の春を謳歌してきた北朝鮮軍だが、無慈悲な粛清と処刑を通じて、もはや正恩氏にあごでこきつかわれ、時には見世物のようにされて、彼の権威を際立たせるための引き立て役の存在になっているのかもしれない。
とはいえ、金正恩氏が先軍政治、つまり武闘派路線を捨てたわけではない。正恩氏はこの5年間で3度の核実験を強行した。今年は2度の核実験を強行し21発の弾道ミサイルと3発の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の試射を行った。金正日総書記が17年間の執権時代に行った核実験は2度で、発射した弾道ミサイルの数は16発だった。
金正恩氏は自身を絶対的頂点とした軍政を完成させながら、父・正日氏の先軍政治を超えようとしているのかもしれない。それはとりもなおさず、正恩氏の暴走が加速することを意味する。