空っぽの家に置き去りにされていた孤独な犬、里親に迎え入れられた今でも人の気配を常に追い求める日々
[画像を見る]
アメリカのニューヨーク郊外の空き家でたった1匹で暮らす犬がいた。彼はジャーマンシェパードの血を引く犬で名はハムという。しかし彼は野良犬ではない。飼い主が所有する空き家に置き去りにされたのだ。
かつてハムは飼い主一家とともに暮らしていた。だがいつの間にか家族は彼を邪魔もの扱いするようになった。彼は家の中に毛を落とし、忙しい時でも散歩を要求する面倒なペットだったからだ。そしてある日、ハムは飼い主が所有する空き家に置き去りにされた。
そんなハムの境遇を知った保護団体のスタッフは、世界で最も孤独な彼の物語を投稿し、里親探しを進めていた。すると空き家の近所に住む動物好きな夫婦が名乗りを上げ、ハムを一員に迎えたのだ。・孤独だったハム、家族ができた今でもまわりの気配を確認する日々
新しい家族に囲まれて眠る最初の夜、ハムは自分のいる場所を確かめるように何度も起き上がっていた。彼はリビングルームにある自分のベットに横になりながら、時々頭を持ち上げて、何度も自分の周囲をチェックしていたという。
そしてまわりに誰かいるのがわかると安心してまた眠りにつく。
それは1週間たった今でも続いている。
[画像を見る]
image credit:Neil Abramson
・空き家の窓のそばで人々を眺めていた日々
ハムのこうした妙な行動は彼のこれまでの環境を考えれば仕方のないことかもしれない。彼は空っぽの家に閉じ込められ、ひとりぼっちで過ごしていたのだ。
ハムの過去を知る動物福祉団体のリサ・ハートによると、以前空き家で暮らしていた頃のハムは窓のそばに座り、人々が通り過ぎるのをひたすら眺めていたという。
ハートはハムの元飼い主から"ハムの引き取り手を見つけてくれないか"、と相談されていた。つまり見つからなければシェルター行きの選択肢しかないということだ。
[画像を見る]
image credit:Lisa Heart
彼の境遇を知ったハートはできるだけ頻繁に空き家を訪問し、ハムを連れてよく散歩に出かけた。そして無人の家に帰る時間になるとハムはいつも鳴いていた。
[画像を見る]
image credit:Lisa Heart
・近所の動物好きな一家がハムの里親に立候補
こんなのは絶対間違ってる。そう思っていたハートの所属団体に、ある日思いがけない連絡が入った。それはハムの物語に目をとめた動物好きな夫婦からの問い合わせだった。彼らはハムの空き家のそばに住んでいたのだ。
彼を迎えたいと申し出た新しい家族は、動物福祉の弁護士であるニール・エイブラムソンと彼の妻で獣医のエイミー・ロドリゲスとその子どもたちだった。彼らはマンハッタン郊外の家でありとあらゆる動物と暮らしていた。
夫婦はかねてから悲しい境遇にある動物たちの話を見聞きしていたものの、その情報の発信地はほとんどが遠すぎて現実には何もできないことに心を痛めていた。
だが、ハムの場所は自分たちが住んでる場所から車で20分ほどのところにあると知り、早速連絡を取ることにしたという。・ハムの新しい犬生は寂しさとは無縁に
ハムは広大な敷地に建つ新たな家と家族を手に入れた。そこには犬や猫だけでなく、ブタやニワトリ、亀にウサギ、さらにオウムや馬までおり、そのすべてがかつて保護された過去をもっていた。
[画像を見る]
image credit:Neil Abramson
到着したハムは積極的に動物たちと挨拶を交わし、4匹の犬の仲間たちからは熱烈な歓迎を受けた。8匹の猫たちからは遠巻きに品定めされ、オウムからは鼻をくちばしではさまれたりしたものの、はじめてみた馬に興味津々のハム。
[画像を見る]
image credit:Lisa Heart
新たな家で迎えた記念すべき第一夜。だがハムは、ひとりぼっちでないことを確認するように30分おきに目を覚ました。そしてそれは今でも続いている。エイブラムソンは、彼の浅い眠りがいつか普通の睡眠になることを願っている。
[画像を見る]
image credit:Neil Abramson
空き家に置き去りにされた恐怖と不安を忘れ、たくさんの仲間たちと目いっぱい遊んでぐっすり眠る。それがハムの日常となる日をみんなが待ちわびている。
via:thedodo・translated D/ edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』