どう出るアサヒ・キリン・サントリー 酒税一本化 大手ビール業界の悲喜こもごも (2/2ページ)

週刊実話

国としては、この酒税税収の減少になんとしてでも歯止めをかけたいのです」(ビールメーカー関係者)

 そこで国は、ビール税率を緩和する代わりに、人気の高い発泡酒と第三のビールに高い税率を課そうとしているのだ。
 「政府は、第三のビールを7年後には廃止して発泡酒に統合させる方向です。ビールメーカーは、20年にわたり高いビール税率と戦っては新しいビール風味のものを作ってきましたが、またまた国税の壁に阻まれてしまう。一方で、ビール税率が低くなったからといって発泡酒や第三のビール並みに売れるという保証はありません」(同)

 ビールメーカーもこの税制の激変対策に躍起だ。
 「ビール税率が下がるため、ビール比率を高くし、さらに美味いビール、高級ビールで売上高をカバーしようとしています」(経営アナリスト)

 そんな中、比較的鷹揚に構えるのは、国内ビールシェア5割のアサヒビールだ。
 「もともとアサヒは、主力商品がビールの『スーパードライ』で、全体の5割の売り上げを占めている。これからの税制改革でも、大きな影響はないと踏んでいるようです」(ビール業界関係者)

 業界2位のキリンビールはどうか。
 「ビールでは『一番搾り』も売り上げが順調だが、発泡酒はキリンNo.1。この発泡酒の税率は、今後の改正で8円近く上がる。それだけに、製品構成比率を徐々に変えないと、大きなダメージを受けると見直しに躍起です」(同)

 業界3位のサントリーはどう対応するのか。
 「実は、今回の税率改正で最も大きな影響を受けるのはサントリーとも囁かれている。ビールは『ザ・プレミアム・モルツ』を出し好調ですが、第三のビール『金麦』が主力商品。『モルツ』がいくら好調でも、『金麦』の売り上げをカバーするのには到底無理そうで、今後の展開を深刻に模索しているようです」(同)

 加えて、今回の税制改革には不安があると指摘するのは、元財務省関係者。
 「いままで日本の酒税税制は、その複雑さゆえに世界7番目のビール消費国でも外資が参入しにくかった。そのため日本へ、ベルギーの世界最大のビールメーカー、ABインべブなどを中心に、改革のプレッシャーをかけていた。今後、その税制が単純になることによって、外資系が一気に日本市場に参入する。となれば、大手メーカーが飲み込まれる可能性は十分にあるでしょう」(前出・経営アナリスト)

 いずれにせよ、我々消費者は安くて美味い一杯が飲めれば文句はないのだが…。

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