【プロ野球】《惜別・野球人2016》いぶし銀、名スカウト、野武士……。今年もまた別れの季節が (3/3ページ)
■12月4日:王貞治の育ての親・荒川博氏、死去
現役時代は毎日で活躍。引退後は巨人のコーチとしてチームを支えた荒川博氏が心不全のため死去した。86歳だった。
荒川氏といえば、王貞治と二人三脚で「一本足打法」を作り上げたことで有名だ。時には日本刀を使い、素振り部屋の畳が擦り切れるほどの猛練習は「荒川道場」と呼ばれ、成績が伸び悩んでいた王を「世界の王」へと育てあげた。
その後、1974年から1976年途中までヤクルト監督も務めているのだが、「監督」よりも「世界一の打撃コーチ」として球史にその名を刻んだといえる。
■12月11日:鉄仮面・加藤初氏、死去
巨人などで活躍し、ピンチにも顔色を変えず投げ抜くことから「鉄仮面」と呼ばれた名投手・加藤初氏が、12月11日、直腸がんのため静岡県内の病院で死去した。66歳だった。
1972年にドラフト外で当時の西鉄に入団。すると1年目に17勝を挙げて新人王を受賞した。1976年に巨人に移籍すると、開幕早々の4月にノーヒットノーランを達成。シーズン15勝4敗の活躍で、前年最下位からの優勝に貢献した。通算141勝113敗22セーブだった。
ここで取りあげた方々はほんの一部。また、海外に目を向ければ、イチローの同僚・マーリンズのホセ・フェルナンデス投手がボート事故で死去する悲劇もあった。
彼らの功績・偉業をいつまでも語り継いでいくことこそ、最高のはなむけになるはずだ。野球界の発展に貢献した全ての方に向けて……合掌。
文=オグマナオト