金正恩氏、公開の場で異例の「幹部批判」…粛清政治の波が現場にも (2/2ページ)

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出世することは金正恩氏に近づくこと、すなわち粛清、処刑のリスクに近づくことを意味するからだ。

韓国に亡命した元駐英公使のテ・ヨンホ氏も、北朝鮮では地位が上がるほど統制が強まることを明かしている。テ氏は、その一例として北朝鮮では幹部に対する盗聴が日常化されており、玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)元人民武力部長(韓国の国防部長官に相当)が処刑されたのも、自宅での失言が原因だったと明かした。

また、今回の大会では、「幹部からが党の路線と政策でしっかり武装するための活動を先行させず、党の決定を形式的に執行している欠陥が批判された」という。つまり、金正恩氏も労働党も、現場レベルで無批判盲従の空気が蔓延していることをある程度認識しているようだ。

金正恩氏は自身も参加したこの大会の結びの言葉で「党の活動において行政官僚化を決定的になくすための旋風を巻き起こさなければならない」と控えめに述べたが、大会自体は異例の幹部批判の場と言っても過言ではない。ただし、正恩氏の恐怖政治が労働党の機能を低下させている根本的原因だということは、あまり認識していないようだ。

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