「自分は能力不足です」と認めた金正恩氏が今すぐにすべきこと (2/2ページ)

デイリーNKジャパン

実際の正恩氏の振る舞いと言えば、ちょっとした幹部の態度に激怒して処刑。民が経済難や災害で呻吟するのをよそに、核兵器開発に拒否を費やし、徹夜のパーティーで蕩尽するという具合である。

もとより、正恩氏の殊勝な物言いは「ぶりっこ」であるのは明らかなので、これ以上ツッコミを入れたところで詮無いことと言える。

そのかわり、正恩氏に届くわずかな可能性にかけて、ひとつ提案をしてみたい。自分で言ったことをごくわずかでも実行するつもりがあるなら、国内における違法薬物の蔓延に対し、本気で取り組んではどうか。

正恩氏は現状においても、違法薬物の乱用を危険視し、取り締まりを厳命していると伝えられる。ただそのやり方は、密売人を処刑するといった力に頼ったものだけで、国民の情報・知識不足が蔓延の媒介となっている現実に対処できていない。だからこそ、女子中学生や幼稚園児までが薬物で汚染される事態が生じている。何より必要なのは、啓蒙なのである。

これは、北朝鮮の現体制にとっても貴重な国民を救う施策だ。正恩氏が得することはあっても、損することはない。合理的な判断ができるなら、行動を急ぐべきだ。

そしてもし、そのようなことに気づけないとするなら、正恩氏は本当の意味で「能力不足」であることが証明されるだけだ。

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