世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第203回 安倍政権の緊縮財政 (2/3ページ)

週刊実話



 実は、安倍政権は民主党政権期よりも緊縮財政なのだ。野田政権期の資金不足が40.6兆円。それに対し、2015年は17.3兆円。安倍政権が、もし野田政権期並みの資金不足を続けていてくれたならば、わが国の需要は最低でも23兆円以上も大きかった計算になる。対GDP比で、年間に4.6%の需要拡大だ。日本は余裕でデフレから脱却していたことだろう。
 とはいえ、現実の安倍政権は、資金不足を恐るべきペースで縮小していった。'14年度、'15年度、'16年度と、3年度連続で国債発行額を減らした以上、当たり前なのだが、これを'17年度以降も継続しようとしているわけである。

 安倍政権は通常予算ではデフレ脱却を果たせないどころか、デフレ化してしまうという現実を受け、毎年、補正予算を組み、何とか景気の底割れを防いでいる。
 補正予算についても、財務省は補正予算に「抜け穴」とレッテルを貼り、吉川洋東大名誉教授ら“御用学者”を使い、反補正予算のプロパガンダを開始している。

 ちなみに、
 「財務省は緊縮財政派だが、安倍総理はそれに抵抗している!」
 といった図式は成立しない。財務省と安倍総理の違いは、緊縮のペースが極端に早いか、普通に速いかの違いにすぎない。

 政府は11月29日に'17年度予算編成の基本方針を閣議決定したが、安倍総理は、
 「歳出全般にわたり、聖域なき徹底した見直しを推進する」
 との方針を強調した。

 さらに、財務省と厚生労働省は医療分野において約1000億円、介護分野で約400億円の支出削減を図る方向で調整中である。相変わらずの緊縮路線なのだ。
 しかも、日本は高齢化で医療や介護の分野における潜在需要は増えているのである。そこに、政府が適切な支出を行えば、有効需要(GDP)と化し、デフレ脱却に近づくことになる。それにもかかわらず、歳出削減が優先されている。

 安倍総理は、本当に日本のデフレ脱却を望んでいるのか。あるいは、社会保障サービスの維持について、いかに考えているのだろうか――。医療や介護分野における支出削減のしわ寄せは、もちろん現場に行く。特に、介護分野の支出削減は、ただでさえ深刻な人手不足を加速させることになる。
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