注目の明治工芸!金属工芸、七宝の魅惑の世界を堪能できる「並河靖之七宝展」開催 (1/3ページ)
七宝とは、金属の下地の上に釉薬をのせて焼成することで美しい彩色を施す金属工芸の一種で、伝統工芸技法の一つ。近年注目されている明治時代の工芸技法の一つとして、再び関心が高まっています。
東京都庭園美術館で開催される「並河靖之七宝展 明治七宝の誘惑―透明な黒の感性」。同展は、明治時代に活躍した七宝家・並河靖之の没後90年を記念して、初期から晩年までの作品が一堂に会する初の大規模な回顧展となります。
並河靖之(なみかわ やすゆき 1845ー1927)
幕末には一旦廃れてしまったものの、明治時代のベンチャー企業として新たなスタートを切った七宝産業の中で、頭ひとつ抜きん出たのが並河靖之でした。並河は京都の武家に生まれ、親王家の侍従として勤めながら七宝の研究を始め、後に七宝に専念したという異色の経歴の持ち主。
並河靖之 菊紋付蝶松唐草模様花瓶一対 泉涌寺蔵
並河は研究を重ね、これまでは濁った色しかなかった七宝に、透明釉薬を含めた様々な色の釉薬を開発し、色彩の表現やグラデーションを可能にしました。中でも、透明感のあるつややかな黒い背景の地「黒色透明釉薬」は、色鮮やかな花鳥風月をより華やかに際立たせる、並河作品の大きな特徴です。