先史時代の人類が戦ったであろう恐るべき10の動物

カラパイア

先史時代の人類が戦ったであろう恐るべき10の動物
先史時代の人類が戦ったであろう恐るべき10の動物

[画像を見る]

 地球の歴史から見れば、我々ホモ・サピエンスはほんの瞬きほどの時間しか生きていない。地球が誕生したのは46億年前であるのに対し、最初の人類がアフリカに登場したのはたった20万年前のことなのだ。

 先史時代を生きた我々の祖先は、生き残るために巨大かつ強大な動物と戦わねばならなかった。ここでは、そうした人類の祖先が世界各地に移住する中で遭遇したであろう恐るべき動物たちを見ていこう。

・10. コロンビアマンモス


[画像を見る]

 コロンビアマンモスは地球上を歩いた最大の哺乳類だ。有名なケナガマンモスは現在のアジア北部、ロシア、カナダで発見されているが、コロンビアマンモスはカナダからメキシコにかけて見つかっている。体毛はずっと少なかったため、現在のゾウの牙を長くしたような姿だったろう。

 体高4メートル、体重10トンほどで、巨大な牙を持っていた。牙は平均3.6メートルもあり、らせん状に曲がり、強靭だった。人間を含めた捕食者から身を守るために使われたのだろう。・9. グランドスロース


[画像を見る]

 恐るべき動物と言いながら、ナマケモノなどちっとも怖くない。だが、その祖先であるグランドスロースは現在のナマケモノとは少々異なり、史上最大級の哺乳類である。

 グランドスロースにはいくつか亜種が存在した。北アメリカに生息していた仲間はサイほどの大きさで、おそらく人間の祖先はその肉を食べていただろう。だが最大の仲間は南アメリカに1万年前まで生息していたメガテリウムだ。ゾウほどの大きさで、頭から尻尾まで6メートル、体重は4トンあった。鋭い歯や長い爪から肉食性であったという説もある。

 最後の1頭は4,200年前のカリブ諸島にいた。そこへ人間が辿り着いたことが致命傷になってしまった。・8. ギガントピテクス


[画像を見る]

 史上最大の霊長類がオランウータンの親戚であるギガントピテクスだ。身長3メートル、体重は300~540キロあった。

 イエティの正体ではないかと想像する人もいるだろう。しかしギガントピテクスが絶滅したのは10万年前のことだ。イエティの正体であるためには、千世紀もの間、人間から隠れ続けることができなければならない。

 600万~900万年生き続けた彼らが絶滅した理由は、その巨体を維持するために大量のエサを必要としたからだ。故郷である東南アジアの熱帯雨林では問題なかったが、気候変動により森林が乾燥したサバンナに変わり始めると食料を確保できなくなってしまった。・7. ホラハイエナ


[画像を見る]

 現代アフリカに生息する近縁種の2倍はあり、体重は190キロ、体高90センチ、全長1.5メートルあった。化石の調査からは、1トンはある5歳のマストドンを倒すだけの力があったと推測されている。

 群れを形成し、ときには30匹の徒党を組んだという。これによってさらに恐るべき狩猟能力を発揮し、9トンになる9歳のマストドンを仕留めることができた。少人数の人間の家族なら絶対に会いたくない相手であったことは言うまでもない。

 2万年前から個体数が減少し始め、1万1,000年から1万3,000年前に絶滅した。最後の氷河期において人間と洞穴を巡って競合したであろうことを考えると、絶滅した理由の一つは人間なのかもしれない。・6. スミロドン


[画像を見る]

 サーベルタイガーとは誤解を与える名である。ネコ科に属してはいるが、トラとはそれほど近くないからだ。

 サーベルタイガーが最初に登場したのは4,200万年前のこと。数多くの種が存在したが、ほとんどは人間が登場する以前に絶滅した。しかしアメリカ大陸で暮らした人間は、スミロドン・ファタリス(Smilodon fatalis)とスミロドン・ ポプラトル(Smilodon populator)という2種のサーベルタイガーに遭遇したと考えられている。大きさはアフリカのライオンに匹敵し、体重はトラ最大の亜種アムールトラほどだ。

 力が強く、自分よりずっと大きなマンモスでも倒すことができた。しばしば待ち伏せからの奇襲を行ったと考えられる。だがネコ科の動物として噛む力は最強ではなく、現生のライオンの3分の1程度と推測されている。代わりにライオンの60度に対して120度も顎を開くことができた。

 噛む力の弱さを補うために、ネコ科最強の前腕の力を発達させた。その力で獲物を押さえつけ、首に牙を突き刺したと考えられている。押さえつけた後、グサグサと繰り返し刺したとする説もある。・5. ダイアウルフ


[画像を見る]

 180万~1万年前に生息していた。現生のタイリクオオカミに似ていたが、もっとがっしりとしている。現生するオオカミとしては最大のタイリクオオカミは体長100~160センチ、体重25~50キロであるが、ダイアウルフは体長150センチ、体重90キロほどだった。

 南北アメリカ全土で発見されており、咬合力はタイリクオオカミより29パーセント強かった。食事は主にウマである。他の肉食動物と同じく、1万年前の氷河期到来によって絶滅した。・4. アメリカライオン


[画像を見る]

 名前はライオンであるが、ライオンとはまったく違う。学名パンテラ・アトロクス(Panthera atrox)が示唆するように、ライオンよりはヒョウに近い。33万年前に現代のアメリカに登場したという意味で、名前の半分は正しい。

 そのはっきりと目立つ特徴は遠目でもすぐに分かる巨体だ。既知のネコ科動物としては史上最大であり、平均体重350キロとアフリカライオンの25パーセント大きい。また非常に力が強く、バイソンを仕留めることができた。

 1万1,000年前、前回の氷河期の終わり頃に絶滅した。・3. メガラニア


[画像を見る]

 コモドオオトカゲが属するオオトカゲの仲間で、およそ5万年前までオーストラリアに生息していた。やはり人間が移住してきた時期である。

 メガラニアの大きさについては議論があり、7メートルという説もあれば、3.5メートルという説もある。いずれにせよ、コモドオオトカゲよりは大きく、またそれと同じく毒腺を有していた。噛み付かれた獲物が出血多量で死ななかったとしても、毒によってゆっくりと命を奪われたことだろう。

 素早く、力が強く、毒まで持つコモドオオトカゲは危険な動物だと考えられている。しかしメガラニアはその4倍も大きい。先史時代だろうが現代だろうが、遭遇したくない相手だ。・2. ショートフェイスベア


[画像を見る]

 クマが登場したのは4,000万年前のことで、時間をかけていくつかの亜種に進化した。我々の祖先が遭遇したのはショートフェイスベアである。

 体高1.5メートルだが、立ち上がれば3.6メートルに達する。2本足で走ることが可能で、時速60キロを超えたと推測されている。つまり時速45キロで走るウサイン・ボルトですら逃げられないということだ。

 北アメリカでは最大級の肉食動物で、80万年前に登場し、11,600年頃に絶滅した。・1. クインカナ


[画像を見る]

 化石から推測すると、160万年前、現在のオーストラリアに登場した。クロコダイル科の仲間で、体長7メートルにも成長した。参考までに紹介すると、飼育されていたものとしては最大のクロコダイル、ロロンは6メートルあった。

 クインカナと他のクロコダイルとの主な違いは前者が陸生種であったことだ。そのため身体的な特徴を二つ発達させた。一つは、長く力強い手足だ。遠くからでも獲物を追跡して仕留めることができた。もう一つは、その歯である。クロコダイルの仲間の歯は、獲物に食らいついて水中に引きずりこみやすいようにできている。しかしクインカナの歯は非常に鋭く、獲物を切り裂くのに適していた。

 人間がオーストラリアに到達して1万年後にあたる5万年前に絶滅した。

 

via:10 Terrifying Animals That Lived Alongside Prehistoric Man/ translated hiroching / edited by parumo



画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。
「先史時代の人類が戦ったであろう恐るべき10の動物」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る