【プロ野球】菊池雄星はメジャーで通用するのか!? 日本人左腕メジャーリーガーの成績を総ざらい! (3/3ページ)

デイリーニュースオンライン

■不良債権と化した猛虎のエース

■井川慶(阪神→ヤンキース)
メジャーでの実働期間:2年(2007~2008年)
16試合:2勝4敗/防御率6.66

 2006年オフにポスティングシステムでヤンキースに移籍し、2007年に岡島から4日遅れでメジャーデビューを果たした井川慶。

 阪神時代はシーズン20勝を含む5年連続2ケタ勝利を挙げた絶対的エースだっただけに、メジャーでどれだけの結果を残してくれるのかとプロ野球ファンは胸を踊らせた。しかし、まさかの2勝(3敗)止まり。中継ぎとして登板する姿は、悪夢を見ているようだった。

 2年目は早々に構想外となってしまい、先発のチャンスも1度きり。そのチャンスも3回6失点と散々な結果に終わり、以降は中継ぎで1度登板しただけで、2012年にオリックスへ移籍するまでマイナーで過ごした。

 実力はあったはずなので、柏田と逆でメジャー適性がなかったということか……。

■日本でもアメリカでもオールドルーキー

■高橋建(広島→ブルージェイズ→メッツ)
メジャーでの実働期間:1年(2009年)
28試合:0勝1敗/防御率2.96

 26歳でプロ野球デビューしたオールドルーキー・高橋建がメジャーに挑戦したのは2009年。40歳でのことだ。広島からFAでブルジェ―イズとマイナー契約。メジャーを目指したが、オープン戦で故障し、あえなく解雇されてしまった。

 しかし、捨てる神あれば拾う神あり。メッツとマイナー契約すると、傘下のトリプルA・バッファローでの好投が認められ、メジャー昇格を果たす。そして5月2日のフィリーズ戦にて、40歳でメジャーデビュー。日本人メジャーリーガーの最高齢記録であり、メジャーを見渡しても、第二次世界大戦以降では史上3位の記録だった。

 そこからは降格と昇格を繰り返しながら28試合に登板。オフに解雇されてしまったが、広島ファンだけでなく多くのプロ野球ファンに夢を与えてくれた。

■与えられた仕事に徹してつかんだ居場所

■高橋尚成(巨人→メッツ→エンゼルス→パイレーツ→カブス→ロッキーズ)
メジャーでの実働期間:4年(2010~2013年)
168試合:14勝12敗/10セーブ/13ホールド/防御率3.99

 2009年に巨人からFAし、マイナー契約ながらメッツに入団した高橋尚成。2010年の春季キャンプで13イニングを4失点と結果を残し、開幕前にメジャー昇格を勝ち取った。

 4月7日のマーリンズ戦でメジャーデビューすると、1年目は先発、中継ぎ、抑えとあらゆる場面でフル稼働。メッツでは25年ぶりとなる新人での2ケタ勝利を達成するなど、10勝6敗、6セーブ、8ホールドと活躍した。

 しかし、その年のオフに、メッツとの再契約が叶わなくなると状況が一変。2011年以降は3年で4球団を渡り歩くジャーニーマンに。巨人時代の高橋からすると想像しにくいが、それでもメッツ時代から3年連続で50試合以上に登板し白星も挙げるなど、自分の居場所を見つけて役目をまっとうしたと言えるだろう。

■故障のせいか、適性の問題か……

■和田毅(ソフトバンク→オリオールズ→カブス)
メジャーでの実働期間:4年(2012~2015年)
21試合:5勝5敗/防御率3.36

 2011年オフに、日本一を置き土産に海外FAでメジャーを目指した和田毅。ダイエーとソフトバンクの9年間で2ケタ勝利が7回という実績が、メジャーの打者にどう通用するかと期待されたが、移籍したオリオールズでヒジの故障に悩まされ、まさかの2年間メジャー登板なしに終わる。

 このまま一度もメジャーのマウンドを踏まずに去ったら、ある意味で井川以上の不良債権になるところだったが、新天地・カブスで徐々に風向きが上向く。2014年の6月半ばにメジャー契約をつかむと、降格と昇格を繰り返しながらもローテーションに加わり、最終的に4勝(4敗)、防御率3.25という成績を残した。

 翌2015年は再び故障続きで満足に投げられず、1勝を挙げるのがやっと。その年限りでソフトバンクに復帰した。しかしソフトバンクでいきなり15勝(5敗)を挙げたことを考えると、メジャーで活躍できなかったのは故障のせいといよりも、メジャー適性がなかったと見るべきか……。

■どんな状況でも折れない心は必須

 こうして振り返ってみると、あらためて彼の地で成功することの難しさがわかる。しかしながら、難しいからこそ「我こそが」と挑戦したくなるのかもしれない。

 もしも菊池がメジャーへ挑戦するとしたら、師匠の石井一久が成功していることを鑑みて、同じように羽ばたいてほしいと思うのだが……。それは西武ファンの欲目だろうか。

 今回、日本人左腕メジャーリーガーの足跡を辿りながら、例えマイナーからでも這い上がろうとする気持ちは、挑戦したすべての左腕に共通する部分だと感じた。この謙虚な気持ちは、菊池も忘れずに持っていてほしい。

文=森田真悟(もりた・しんご)

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