マイナス金利になり飛ぶように売れたタンス預金用の金庫と相続と脱税のお話

心に残る家族葬

マイナス金利になり飛ぶように売れたタンス預金用の金庫と相続と脱税のお話

平成28年に日本銀行で、マイナス金利の導入が発表されてから、もうじき1年が経過する。日本史上初のマイナス金利となったが、日本銀行と都市銀行(地方銀行・信用金庫等も含む)との預金利息に関することなので、我々一般人の預金利息には直接の影響は少ないので、不安になる必要は殆どない。マイナス金利を導入した目的も、企業の設備投資を促進し、従業員の人件費を増加させることで、日本国内の経済の活性化することにある。

■マイナス金利になって更に増えた可能性が高いタンス預金

しかし、これだけかと言うと、実はそうでもない。詳細は省略するが、相続に絡めて考えてみると、意外な側面が見えてくる。それは何かというと、所謂「タンス預金」なのだ。

マイナス金利と聞くと、銀行に預けている預金から利息が差し引かれてしまい、銀行に利息を支払うことになる。そう思われている方も居るのではないだろうか。故に、銀行から預金を引出し、タンスに仕舞い込んでいる。そのような状況が見えてくる。最近、盗難のリスクを心配してか、小型の金庫の売り上げが激増していることからも、当該状況を説明できるだろう。

しかし、この件に関して結論を言えば、マイナス金利だからと言って預金から利息が差し引かれることにはならないのだ。理由は預金契約にある。契約上都市銀行は、顧客の口座から利息を差し引くことができない。更に、日本銀行からその旨の通達がでているため、タンス預金をされている人の不安は杞憂であろう。

■タンス預金は脱税が疑われる

では、タンス預金と相続の関係についてはどうなのだろうか。元々日本はタンス預金が相当な額に上ると言われているが問題となるのは、タンス預金にも当然相続税が課税されることだ。

筆者の経験だと、ある家族において、相続の手続きが全て終了し納税まで済ませた。数年後、その家族が自宅をリフォームした時に、被相続人の自室の床下から旧紙幣(聖徳太子一万円札)でかなりの現金が出てきたことがあった。

一切状況を知らなかった家族も筆者も顔面蒼白となり、結局一から相続をやり直した。脱税が疑われたが精査の結果、脱税には該当しなかったのが救いだった。ただ、延滞税はそれなりに納付せざるを得なかった。原因は、被相続人がタンス預金を隠したのは良いのだが、隠した場所を失念してしまうか、最悪だと誰にも隠した場所を教えないで亡くなってしまうことにある。

■誰にも明かさず、相続後に見つかるようなタンス預金はやめましょう

タンス預金をする人の気持ちは痛いほど理解できる。だが、相続が絡んでくると前述のように、相続人達に多大な負担を強いることとなる。

解決策としては、銀行の貸金庫を利用するか、純金地金を購入して保管場所を自宅以外にするか、信頼できる弁護士にのみ隠した場所を伝えておき、その旨を遺言状に記入するのも手であろう。ただし、前述したがタンス預金を隠蔽しようとは考えない方が良い。脱税であり、大きなペナルティを覚悟しなければならなくなる。盗難のリスクも合わせて考えてみて、自分に合った対策を練っていった方が良いだろう。マイナス金利が何時まで続くかわからないが、自身の財産を防衛するために様々な対策を検討すべきだと考える。

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