『嫌われる勇気』NEWS加藤シゲアキの”ぎこちなさとダミ声”が奇妙な魅力に

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Photo by gatopalomas
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 近年は作家やコメンテーターとしての活動も目立つNEWSの加藤シゲアキ(29)が出演する、ドラマ『嫌われる勇気』が1月12日にスタート。同作は心理学者のアルフレッド・アドラーによるベストセラー『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』(ダイヤモンド社)を大胆にアレンジし刑事ドラマに仕立てたもので、加藤は主演の香里奈演じる刑事・庵堂蘭子とバディを組む新人の青山年雄を演じる。香里奈1年半ぶりの主演作ということもあり視聴率の動向が注目されていたが、初回視聴率は8.1%と微妙なところだった。

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 第1話では、蘭子(香里奈)が属する捜査一課に、新人刑事の青山(加藤)が配属。捜査一課に憧れていた青山は張り切るが、バディを組むことになった蘭子は、青山はもちろん他人にまるで気を使わず、単独行動ばかり。2人での初仕事となったのがファッションモデルの連続殺人事件だが、プロファイリングで推理する同僚の浦部義孝(丸山智己)や監察医の相馬めい子(相楽樹)の見解を「安易な妄想」だと無視し、蘭子は独自に捜査を進める。協調性のない蘭子にうんざりした青山が上司の半田陽介(升毅)に相談すると、警視庁のコンサルタントを務める帝都大学教授の大文字哲人(椎名桔平)のもとへ行くようにと言われる。実は大文字は蘭子の恩師で、彼女を理解するには「アドラー心理学」なるものを知る必要があると話し始めた――。

 「他人から嫌われることを恐れず“嫌われる勇気”を持ちえたとき、人は初めて自分だけの人生を歩みはじめることができる」というのが原作のメッセージだが、ネットでの声の大半は、それを刑事ドラマに仕立てて伝えている点に集中。「心理学と刑事ドラマの組み合わせに違和感ありまくり。アドラー先生に謝ってほしい(笑)」「アドラー作品の読者だけど、このドラマには興味を持てなかった」といった具合だ。

 また主役の香里奈に対しても、ドライな仕事人間を演じる彼女の化粧っけのないビジュアルに「久々に香里奈みたけどキラキラ感が全くなかった」という辛らつなツッコミも。そして加藤に関しても「頑張ってはいたけどなんとなく無理してる感、肩に力が入ってる感がある。観ていて疲れる」「バディの2人もキャラが魅力的に見えず全然引き込まれない。香里奈もシゲも表情が乏しいからかな?」などと手厳しい声が目立った。ただし「青山くんが思ったよりもたくさん出てる!?」、マダムたちに混ざっての紅茶キノコセミナーのシーンで着ていたフリフリのエプロンに「可愛いシーン感謝!!」という声もあり、ファン的には感触は悪くなかったようだ。

 加藤本人はというと、念願かなって演じることになった刑事役を「白手袋をつけたり死体役の方を見たりしたときに、刑事ドラマだなあって実感する(笑)」と、素直に楽しんでいるよう。そして、マジメで刑事としてはやや不器用な青山のことは「ちょっと抜けてるとこもあるチャーミングなキャラクター」(以上、学研プラス 「POTATO」2月号)と分析。このドラマのテーマである“嫌われる勇気”については「いやぁ好かれてナンボですからね、アイドルは(笑)。白熱ライブ ビビットでコメントする時も、なるべく誰も傷つけず、不快な気持ちにさせないようにと意識しています」(東京ニュース通信社 「TVfan CROSS Vol.21」)とコメントしていて、第1話では蘭子と対立しまくりの青山とダブるような素顔をのぞかせている。

 ジャニーズの中でも演技派とはいいにくい加藤だが、そのぎこちなさがマジメな新米刑事という設定には意外にフィットしており、以前から指摘されてきたダミ声も、朴訥とした青山のキャラクター作りにひと役買っている。初回視聴率も評判もなかなか厳しい同作の中で、加藤演じる青山は、本人も言うように意外にニクめない雰囲気をかもし出しているように思える。

 さらに主演の香里奈についても、この作品では脱・アイドル女優を念頭に置き、年齢に見合った、地に足のついた演技を見せているようにも。推理部分の詰めの甘さなど脚本の弱さがネックといえるが、第1話では水と油のようだった蘭子と青山が今後どうバディとしての絆を深めていくのか。それによっては視聴率の巻き返しもありうるのかもしれない。

文・ジャニーズ研究会(じゃにーずけんきゅうかい)
※ジャニーズを愛する有志による記者集団。『ジャニーズ50年史』『完全保存版ジャニーズの歴史――光も影も45年』『ジャニーズに捧げるレクイエム』(鹿砦社)など多数の出版物を刊行。

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