北朝鮮「喜び組」セクションが金正恩氏の警護を独占か (2/2ページ)

デイリーNKジャパン

しかし、斬首作戦が頻繁に囁かれるようになると、護衛司令部が3線体制を無視して身辺警護事業を独占し、国家保衛省との対立が深刻化しているという。

護衛司令部がなぜ警護事業を独占しようとするのかは不明だ。護衛司令部は、北朝鮮で超エリート部隊であり、対象者は朝鮮労働党の組織指導部護衛総局、通称「5課」で選抜される。ちなみに5課は、あの「喜び組」も統括する。それゆえ、北朝鮮で「喜び組」は「5課処女」といわれる。(注=韓国・朝鮮語で「処女」は未婚女性や若い女性の総称)

喜び組という最高指導者のマル秘情報に触れる部隊だけに、最も優遇されていると思われがちな護衛司令部だが、その一方で任務のキツさから人材難に陥っていると囁かれている。

こうした中、護衛司令部は機関の生き残りをかけて、身辺警護事業を独占しようとしているのかもしれない。

朝鮮日報は消息筋の証言を引用しながら、護衛司令部が金正恩氏の公開活動のスケジュールを国家保衛省や人民軍保衛局、人民保安省に通知せず、それぞれのトップの金元弘、チョ・ギョンチョル、崔富日(チェ・ブイル)の各氏がはらはらしているという。

米韓の斬首作戦は、あくまでも金正恩氏に心理的圧力をかけるレベルだ。民主主義国家である韓国が、国民や議会のコンセンサスもなしに、失敗すれば核で反撃されるリスクの高い作戦導入に突き進むことは難しい。それでも、今回のように北朝鮮の治安機関に軋みを生じさせているとするなら、韓国としては「してやったり」というところかもしれない。

いや、金正恩氏は「喜び組」セクションが身辺警護をすることから、意外と喜んでいるかもしれない。

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