ホーキング博士からうつ病に苦しむ人へのアドバイス 「ブラックホールに吸い込まれたような気分に陥っても諦めないでください。出口はあります」
[画像を見る]
うつ病で苦しんでいる人々に、スティーブン・ホーキング博士からエールが送られた。「絶望のブラックホールから逃げることは可能なのだ」 と。
これはロンドンの王立科学研究所で74歳の誕生日前日に行われた、BBCリースレクチャー(Reith lecture)でのコメントだ。博士は自身の最新理論を説明した講義の最後をこのように締めくくっている。
私が言いたいことは、ブラックホールはその色ほど暗くはないということです。それはこれまで考えられていたような永遠の牢獄ではありません。ホーキング博士は1963年、21歳のときに筋萎縮性側索硬化症と診断され、余命2年を宣告された。娘のルーシーさんは、その頑固さと笑いが今日まで生き延びさせたと観衆に語っている。
物はブラックホールから脱出することができます。外側へも、おそらくは別の宇宙へも。だから皆さんがブラックホールに吸い込まれたような気分に陥っても諦めないでください。出口はあります
[画像を見る]
「父は羨ましいほどの希望を持って前進しようとします。自分の全能力、全エネルギー、全思考を呼び覚まし、前進という目標に注ぎ込む力があるんです」
「でも、それはただ生き延びるためのものではなくて、すごい業績を生み出してそれを超越するためのものです。執筆したり、講義をしたり、神経変性などの患者さんたちを励ましたりって具合にね」
ホーキング博士は観衆からの質問に対して、自分が持っているものに感謝することを学んだと答えている。
病気になったことは不運でしたが、それ以外のほとんどはとても恵まれていました。ブラックホールが牢獄ではないという説は、博士が昨年8月に理論物理学最大の難問の1つへの回答として示したものだ。
素晴らしい時期に理論物理学に携わることができたことは幸運でした。この分野は自分の障害がハンデにならない数少ないものです。
人生がどれほど困難に見えたとしても怒らないことも大切ですね。自分自身や人生を笑い飛ばせることができれば、希望は失われないのです。
その難問とは、「物理状態にあるものがブラックホールに吸い込まれたら、情報はどうなるか?」というものだ。
量子力学の法則は、情報が回収できることを要求する。しかし、そのことは現在のブラックホール理論と矛盾しており、”ブラックホール情報パラドックス”と呼ばれる理論物理学40年来の難問であった。
[画像を見る]
ホーキング博士は情報がブラックホールの内部ではなく、その境界である事象の地平面に保存されると提唱した。この説が示唆することとは、ブラックホール内で失われた情報は別の宇宙に保存されるかもしれないということだ。
ブラックホールは大きいものである必要があるでしょうが、もしそれが回転していれば、別の宇宙への通路があるかもしれません。こちらの宇宙には戻ってこれないでしょうけどね。そんなわけで、宇宙飛行をぜひと思っている私ですが、試してみるのは御免です。
via:iflscience・viralnovaなど/ translated hiroching / edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』