現役英文科学生が考える、日本の英語教育の今とこれから【学生記者】

学生の窓口

みなさんこんにちは。北星学園大学短期大学部のなるです。

今回私は、自分が通っている英文学科の先輩にインタビューをしました。日本の英語教育を変えるために「60年先までやりたいことが埋まっている」という努力を惜しまない先輩で、なんと2017年の夏にアメリカに行き、2018年にアメリカ縦断することを決意したとのこと。インタビューではやる気が出てくる話、前向きになれる話をたくさん聞くことができたので、全3回にわけて記事をお届けします。

1.「英語を勉強する方々へのメッセージ」

2.「英語を勉強してから知ったことや感じたこと」

3.「日本の英語教育について」

今回はシリーズを締めくくる第3弾、「日本の英語教育について」。英語を勉強する全ての方に読んでいただきたい内容です。ぜひご覧ください!

◆インタビュー対象者

横倉 悠人 さん(20)・写真左

プロフィール
北星学園大学短期大学部英文学科2年次に在籍。
英検準1級、TOEIC750点、TOEFL527点。趣味は海外旅行。訪れたことのある国はイギリス、シンガポール、台湾。1月にヨーロッパ一人旅を予定。アルバイトは塾講師。塾講師を通して「教育」に興味を持つ。日本の英語教育について真剣に考え、「60年先までやりたいことが埋まっている」という努力を惜しまない人物。情熱的なことが好きで国籍・年齢・性別問わずさまざまな人と交流し、ネットワークが広い。留学経験や学生生活を通して得た知識や経験で、あたたかく力強い説得力の持ち主であり、人を前向きな考えにさせるのが得意。多くの人に慕われている。

◆今の日本の英語教育は「アカン」

―なる(筆者)

将来の夢はなんですか。

―横倉 悠人さん(以下、横倉)

いろいろプランがあって、最終的には大学教授になりたいと考えています。そのために海外の大学院を卒業して、高校の先生になり、教育の経験を積みたいですね。当面の目標は海外の大学に入学することです。

―なる

大学教授なんですね! では日本の英語教育に関して、なにか思うところはありますか。

―横倉

僕は今の日本の英語教育は「アカン」と思っています。これからの時代、グローバル化が進んでいく中で、僕たちはたとえば平気で3か国語を操るシンガポールの若者たちと渡り合っていかないといけません。それは3、4か国語を話せっていうことじゃなくて、もっと英語を話せるようになるべきなんじゃないかなと思います。せっかく中高で6年間英語を勉強したり、英会話教室がこれだけ流行っているなかで、英語を話せる人がこんなにも少ないのはもったいない。その原因は教育の質が悪いからだと思っています。

―なる

日本の英語の授業は座学が多いのも原因かもしれないですね。よい英語教育とはどういうことをいうのでしょうか。

―横倉

そこについては僕も今模索しているところなのですが、「自分の学んだ知識を社会ために役に立てなさい」と教えるヨーロッパの教育には1つ60年先までやりたいことが埋まっている参考になるところが多いと思っています。アメリカの学校では1年間の学費も500万だとして4年間で2000万円かかります。借金を背負った状態で社会に出るから、みんな一生懸命勉強しています。もし教授の都合で授業が休みになったら、生徒たちは「どうして休むんだ」と文句を言いに行ったりするくらい熱心です。みんなそれくらいの覚悟で勉強しにいっています。

アジアに目を向ければ先ほどのようなシンガポールの人たちがいるし、欧米に目を向ければアメリカやイギリスの人たちがいる……。僕はそういう人たちと戦っていくんだっていう意識があるので、モタモタしてる場合じゃないなって思います。

―なる

具体的に日本の英語教育のここが悪い、と感じたことはありますか。

―横倉

塾でアルバイトしているとき、生徒に「先生の授業楽しい!」と言ってもらえたことがすごくうれしかった。でもアルバイトの帰りに塾長に「お前の授業は全然実用的じゃない、変えろ。」と言われましたし、そのあとテキストをボンッと投げられて「これをやれ」と言われたりもしました。そのテキストを見ると、、「不定詞の用法は~~~」と半分日本語でダラダラ書かれていて、「なんだこれ」と思いました。「このテキストを使うのは上の意見だから仕方がない」といわれたのがとても悔しかったので、そういう考えを変えていきたいと思いました。

―なる

勉強の枠組みが決められている限り、先生が授業や考えを変えたいと思ってもなかなか変えるのは難しいと思うんですけど……。

―横倉

日本の教育は、文部科学省が決めているものに従わなければいけないって言う不自由さがあります。教員一人ひとりの自由度もないです。それに、教員の自由度が上がったからといって、日本の英語教育はよくなるのかといわれたらそうでもない。英検準1級を持っている教員は4分の1しかいないと聞いたことがありますし、英語が喋れない教員も少なくないそうです。そこがやっぱりダメだなって思うところですかね。自由度の高い私立に行こうとなると次は親がうるさいです。私立はクラスで質をそろえるということに重点を置きがちで、英語の例文も統一しなければならないなど、先生の個性が失われているのでそこをなんとかしたいと思います。

こういった現状を変えるのに一番手っ取り早いのが、大学の教員になることだと思いました。「日本の英語教育を変えたい」……日本でこういうビッグなことを言ったら笑われるかもしれないけど、外国の学生は平気でビッグなことを言います。アメリカの学生のなかには「アメリカを変える」と言って政治を学ぶ人もいます。そういう理由もあって僕はアメリカに行くことにしました。

―なる

大学教授になったとして、救えるのはその学科に入学してきた生徒だけではないのでしょうか。

―横倉

大学教授になって、社会的に偉くなったら発言力も大きくなると考えました。中学高校の教員になったとしたら毎年40人のクラスを持つとすると、大学の教員になって英語教員を目指している人を毎年2人育てて、その2人が教員になって40年間、毎年40人のクラスを持って生徒を育ててくれるとしたら……自分自身が中学高校の教員になるよりも多くの人を救えると思いました。時間はかかることかもしれないけど(笑)。

◆60年先までやりたいことが埋まっている

―なる

なるほど。大学教授になったほうが中学高校の先生になるよりも、よい英語教育が網目状に広がっていくということですね。

―横倉

だから60年先までやりたいことが埋まっています(笑)。来年アメリカ縦断を予定しているんだけど、倒れるかもしれないです(笑)。その前に、知識と英語力がまだ身につけられてないから大学生活でもっとがんばらないとなと思います。

―なる

先生になりたい方は多いと思うのですが、こんなに先を見据えている方って少ないんじゃないかなって思います。

―横倉

日本がそういうビッグなことをいえない環境だというのも原因のひとつかもしれません。成功してきた人たちって笑われながらがんばってきた人たちだから、きっと自分も大丈夫だろうって思うようにしています。

―なる

「子どもが好きだから」、「英語が好きだから」という理由で先生になる人って多いと思うんですよね。それもすてきな理由だと思います。でも、教員になってからどうするかっていうことを具体的に夢として語る人って少ないですよね。

―横倉

そうそう、だから教員になってからつらくて辞めちゃう人も多い。

―なる

日本人が夢を語るときって職業を答える傾向にあるじゃないですか。たとえば「私は教員になりたい」だとか。私もそう答えちゃうんですけど(笑)。でも、夢って「自分がどういう人間になりたいのか」「この世界をどうしていきたいか」を語るものだと思うんです。職業を答えちゃうなんて日本人ぽいですよね(笑)。だから横倉さんの将来の夢を聞いて感動しました。

―横倉

いやいや、ビッグなことを言ってないとモチベーション上がらないですもん(笑)! 自分がどう社会に貢献できるかを考えていかないと、勉強しなくなるだろうし、社会のことを考えたら責任感だって生まれてくるから勉強だってやる気になるだろうし、そういう重圧があってもいいんじゃないかなって思います。自分は笑われるのにも慣れているし、サポートしてくれる人もいるし、発言できるチャンスもあるから本当にラッキーです。でもそうじゃない人もいるだろうから、日本がもっと発言しやすい環境になってくれるといいですね。僕もまだまだですけど。

―なる

なるほど。自分のやりたいことを考えるだけでなく、社会にどう貢献できるかを考えることでやらなければいけないことが見つかったり、モチベーションが上がったりするのですね! これでインタビュー終了です。本当にありがとうございました!

◆まとめ

みなさんいかがでしたか? 英語を学んでいる方や英語に興味を持っている全ての方の、勉強をするきっかけに少しでもなればうれしいです。

文・なる

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