【日本人が知らないニッポン】戦火を乗り越えた浅草寺の聖観音菩薩 (2/2ページ)

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・本尊と「御前立」の違い

「では毎年12月のご開帳は何なんだ?」という質問もあるかもしれません。

じつはそこで見られる仏様は、いわゆる「御前立」というもの。少々悪い表現かもしれませんが、要はレプリカです。

善光寺の7年に1度のご開帳も、御本尊が姿を表すというものではありません。模造品(失礼!)である前立本尊が表舞台を引き受け、正真正銘の御本尊は永久に日の光を浴びず今も佇んでいます。

絶対秘仏の御本尊を「ただの迷信」と言ってしまうのは、非常に簡単です。ですがそこには我々の先祖が歩んできた道筋、爪痕、そして後世へつなぐ思いが刻まれています。日本人がどこから来て、これからどこへ向かうのか。浅草寺の本堂に鎮座する観音様は、未来への方向を指し示しています。

・戦争を目の当たりに

そんな浅草寺の御本尊は、歴史上最大の危機を乗り切っています。

それは太平洋戦争。昭和20年の大空襲で、浅草寺は消失してしまいました。本堂も無残に焼け落ちています。

ところが、御本尊はその直前に青銅製の手水鉢に収められ、地下深くに埋められていました。焼け野原と化した東京の中で、戦火を生き延びた御本尊は終戦直後の日本人の希望となりました。

浅草という地で、日本の発展や悲劇を見つめてきた聖観音菩薩。姿は見えなくても、耳を澄ませばその声は聞こえてくるはずです。 

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