国内最大級の政策立案コンテスト! 「未来自治体全国大会2017」担当者を直撃<前編>【学生記者】

こんにちは!横浜国立大学の山Dです。
前回、国内最大級の政策立案コンテスト「未来自治体全国大会2017」について紹介をしました。
私のように公務員志望の方や地域創生・まちづくりに関心ある方にはおすすめのコンテストです。今回は、「未来自治体全国大会2017」の運営責任者をしている九州大学大学院修士1年の大川真司さんに話をお伺いし、「未来自治体全国大会2017」とはなんぞやというところから、コンテストの特徴、テーマ、その他コンテストに関するさまざまなお話をしてもらいました。前編と後編の2回に分けてお届けします。ぜひご覧ください。

―山D
では早速お願いします。まず「未来自治体全国大会2017」の大会概要を改めて教えてもらってもいいですか?
―大川さん(以下、大川)
簡単にいうと、政策の甲子園のようなものだと考えてもらえればと思います。全国各地から約170 名の若者が出場し、2ヶ月間で政策案を考え、提案するコンテストとなっています。実際にコンテスト参加者には、自治体の首長という立場にたってもらって、30年後のまちのビジョンを考えて、それを実現するための10年後の重点政策と予算案を考えてもらいます。そして、各チームが考えたプランを10分間のプレゼンテーションで競い合いましょうというものですね。
―山D
このコンテストの特徴は何でしょうか?
―大川
やはり30年後の未来を考えることが本コンテストの一番のウリなのかなと思っています。他のコンテストは、今の課題を解決するためのアイデアを出すというコンテストが多いと思うのですが、「未来自治体全国大会2017」はコンテスト出場者である若者たちが30年後の未来の理想のまちを考えて提案します。30年後というと、いま20歳の人が50歳になっている状態、つまり、自分たちがバリバリの一番脂ののった大人になっている頃に、まちはどうなっていてほしいのかを考えていくわけです。
現在の価値観や正義の概念(何が正しくて何が正しくないか等)や、受け継がれている日本の風習とかそういったものを、全部ぶっ飛ばして、「自分はこういうまちが、こういう社会がいいんだ!」、「こんなまちが好きなんだ。」、「こういうことを大事にしたいんだ!」というものを主張し、提案してもらいます。
たとえば、「若者だけしか住めないまち」がいいんだ!とか、そういったプランでもOKです。今がどうとかは関係ないのです。自分たちが本当に住みたい、本当に実現したいまちの未来を描いて、提案する。そこが他のコンテストにはない本コンテストの特徴の一つだと思っています。
―山D
なるほど! コンテストの特徴がよくわかりました! 未来のまちを考えるというのが大きいのですね。今の話を聞いて、コンテストを通して考えていくのが、 “30年後"のまちのビジョンというのはわかったのですが、なぜ重点政策と予算案は10年後のものを考えるのですか?
―大川
30年後にまちを大きく変化させるようなプランを期待しているからです。したがって数年程度で大きな変容を実現させるのは難しく、変容を可能にさせるスパンとして10年後から30年後までの20年間を設けています。また、いきなり明日から大胆に政策を変更しますといっても、市民も動揺すると思います(笑)。しかし10年間政策実施まで猶予があれば、「それまでにテクノロジーの進歩やルールの改定もあって少々大胆な政策でも許容されるであろう」、という意味も「10年後」にはあります。
―山D
なるほど。ちなみに今回、コンテストのテーマのようなものがあるとお聞きしたのですが、どのようなものなのでしょうか?
―大川
今回のテーマは「極論を言え」というもので、出場者にはプランに極論を入れてもらいます。「あなたが住みたい街は誰を幸せにしたいですか?」、「一方で誰の幸せを諦めるのですか?」というテーマを考えています。何のために極論を言ってもらっているのかというと、学生のプランをもっと「おもしろく」したいと思っているからです。
「未来に関する、今にとらわれないプランを考えてください」と言っても、参加する学生はまじめな学生が多いので、どうしてもお利口な、今まで存在するような、または過去に検討したことがあるようなプラン、ありきたりなプランになりがちなのです……。そういった意味で、新しい価値あるアイデアを、思い切ったプランを出してほしいなと考えたときに、どうしたらそれができるかというと、テーマ自体を「極論を言え」という問いにすることが効果的なのかなという結論に至りました。
それから、政治というのは全員を幸せにすることは難しいのかな、と思っているのも今回のテーマを選んだ理由の1つです。実際に自治体がもっている資源も有限ということがあり、政策を打ちたいなと思ったときに二項対立的に不幸になる人がいると思っていて、全員の幸せを満たすことは難しいわけです。学生の本音を引き出すためにも、「誰を幸せにして、誰の幸せを諦めますか?」という部分をコンテスト期間中も強調していきたいと思っています。学生自身の本音が出てくることが大事だと思いますので!
ここでの本音というのは、「私はこれが本当に問題だと思っているので、それが解決された世の中にしたい。そうするためにはこういう政策を実施したい。」というようなものですね。そして、「私たちの掲げるまちのビジョンや政策は単なる夢物語ではありません。実現性や根拠もありますよと。アメリカには10代しか住めない街があって、そこはこういう仕組みで回っています。なので、私たちのプランも実現性があります!」というような論拠を持ってきて、大人たちを唸らせてほしいですね。
―山D
ちなみに大川さんは何故この「未来自治体全国大会2017」の代表をやっているのですか?
―大川
一言でいうと「おもしろいから」というのが、一番にあります。単純に、このコンテストを運営することにワクワクしています。3月18日に開催される決勝大会では第一線で活躍している議員や大臣をゲストとしてお呼びしようと思っているのですが、そういう人たちに若者が一生懸命作ったプランを述べるわけです。そして大人たちに「今の若者はこんなことも考えるんだ。夢物語ではなく論拠もある、この考えはアリだな。」と思っていただくのが僕の中の成功イメージで、そういった成功イメージを実現できると思うと、そこまでのプロセスを作っていけるということ自体にワクワクしています。
あと、このコンテスト自体、社会的に意義があると思っているのも、いま運営代表をやっている理由の1つですね。
―山D
なるほど。わかりました! 次に、大川さんも責任者をされているコンテストのプログラムについて詳しく教えてもらってもいいですか?
―大川
コンテスト期間に実施するイベントを紹介しますね。まず、キックオフイベントです。キックオフイベントではコンテストの概要など2ヶ月間の流れの説明をします。ハーフタイムイベントでは中間発表的な意味合いがあって、予算のレクチャーなどをしていきます。イベントごとに出場者に政策立案に必要なポイントをレクチャーしていくわけですね。プレゼンテーションのレクチャーがあったり、30年後の未来を考える際の知識インプットとして「未来創造コンテンツ」というものも用意していたりします。コンテンツに関しては多くの参加者に満足していただけるものになっていると確信しています。
それから参加者には課題を設けます。「~~までにまちのビジョンを考えてきてください」や、「~~までに予算を考えてきてください」というように。いわゆるペースメーカー的な機能ですね。「しっかりと練りこまれた、魅力的かつ出場者自身が100%納得するプランを提案できるようにするために、2ヶ月間をどう活用していけばいいのか」、「どういうペースで進んでいけばいいのか」ということもお伝えしていきます。
また、参加者には複数人でチームを組んでもらうのですが、チームごとにそれぞれ担当のスタッフがつき、チームごとにフォローしていきます。そのスタッフはチームのお世話をするようなスタッフだと思っていただければいいです。わからないことがあれば、そのスタッフに確認したり、なんでも相談したりすることができますよ。
―山D
イベントで予算の組み方とか知識のインプットもされつつ、さらにスタッフが2ヶ月間フォローをしっかりしてくれるのですね!ちなみに、どんな方が参加するのですか? やっぱり、政治に詳しい学生が多いのでしょうか?
―大川
政策に詳しいという方にも満足していただけるコンテストだと考えていますが、必ずしも政策に詳しくなくても大丈夫です。むしろ、政策の知識が多くない人や全く政治を知らないという方でも大丈夫です。
語弊を恐れず言うと、全く政治の知識がない人、よくいる普通の若者が考えているような「こんな未来にしたい!」、「こういう社会にしたい」という声が、行政や議員に届いていくこともとても意義があって大事なことだと思っています。
そう考えると、政治に詳しいという人だけではなく、普通の、いわゆるマジョリティーの若者たちの素直な本音がしっかり入っているプランは、それはそれで見応えもあるし、そういったプランこそ大人を唸らせるのではないかなと期待しています。
◆続きは後編で!
インタビュー記事前編はここで終了です。後編記事では大川さんが「未来自治体全国大会」を知った経緯などをお聞きしています。実は大川さんも過去に開催された「未来自治体全国大会」の参加者だったのだとか! 後編もぜひご覧ください。
文・山D