忌まわしい記憶を消す!? 「記憶同士を結びつける細胞」が発見された (2/3ページ)
■ 記憶の関連付けを行うマウスの実験
個々の記憶は、記憶痕跡細胞集団として脳内に蓄積し、それらが重複することで記憶同士が関連づけられるとされている。その重複はどんどん増えていくことはすでに報告されていた。
しかし、その役割が不明だったのだ。
そこで研究グループはマウスを使って実験した。
実験では、マウスに味覚嫌悪学習(CTA)と音恐怖条件付け(AFC)を関連づけることで行った。
CTAとしては、マウスが好きなサッカリン水溶液(甘い)を与え、その都度塩化リチウムを与えることで内臓倦怠感を引き起こさせた。
するとマウスは、好物のサッカリン水溶液を忌避するようになる。
次にAFCとして、マウスにブザー音が鳴る度に電気ショックを与える。すると、ブザー音を鳴らすだけでマウスは恐怖ですくむようになる。
このように2種類の記憶を個別に形成させてから、今度はサッカリン水溶液とブザー音を連続して与えるようにすると、これらの記憶が関連づけられて、サッカリン水溶液を飲むだけですくむようになる。

source:http://www.jst.go.jp/pr/announce/20170127/
この状態で、CTA記憶とAFC記憶それぞれに対応した記憶痕跡細胞集団の重なりが増えたことが確認できた。
■ マウスの記憶の関連づけを抑制できた
そこで今度は、マウスが記憶をよみがえらせたときに記憶痕跡細胞集団の重複部分をArchT(アーチティー:光感受性膜タンパク質)で標識して、その活動を光遺伝学(特定の波長の光に反応する分子を遺伝子導入して光で細胞の活動を抑制できる)的に抑制してみた。
すると、マウスのCTA記憶とAFC記憶の連携は低減しながらも、個々の記憶には影響を与えなかったのだ。