【東大生の頭脳に挑戦!】連想ゲームと同じ? 「多義語」な英語の語源クイズ【学生記者】

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こんにちは、QuizKnockの小林です。

みなさん英語はお好きでしょうか? 正直、単調な文法事項や途方もない数の単語など、あまりいい思い出がない方も多いかもしれません。そんな英語の中でも、私が魅力をお伝えしたいのは多義語。読んで字のごとく、「いろいろな意味をもつ単語」のことです。英和辞典を引いてみると、特に基本的な単語には多岐にわたる意味が連ねられていることがわかります。では、それらの意味は互いに独立した存在なのでしょうか?

実は、決してそうとは限りません。多くの場合、根幹となる意味があって、そこから1つ1つの異なる意味が派生しているのです。例外的にですが、まったく語源に関連がないのにもかかわらず、単語の形が偶然一致してしまったという場合もあります。

意味の派生とは、言い換えれば連想ゲームです。たとえば日本語の「目」ということばも、「台風の目」といったら「(眼球と形が似ている)渦巻きの中心」のこと、「人を見る目がある」といったら「(眼球のはたらきの1つである)物事を正しく評価する能力」のことを指しますよね。このように一つの単語からさまざまな意味のことばに派生するのは英語も一緒。そして日本語に負けず劣らず、英語にも興味深い多義語はたくさんあります。今回はその中のほんの一部を見ていきましょう。



Q1.次の「right」を使った表現。正しいのはどれ?

1:You may be right.(あなたの言う通りかもしれない)
2:the right side of a road(道路の右側)
3:All rights are secured.(すべての権利は保護されている)

Q2.次の「spring」を使った表現。正しいのはどれ?

1:a spring vacation(春休み)
2:an extension of a spring(ばねの伸び)
3:cold water from a spring(泉からわく冷たい水)

Q3.次の「hand」を使った表現。正しいのはどれ?

1:the hand of a clock(時計の針)
2:He writes a good hand.(彼は字を書くのがうまい)
3:a hand of bananas(バナナの房)

Q4.次の「sound」を使った表現。正しいのはどれ?

1:the sound of waves(波の音)
2:You have a sound opinion.(君はしっかりした意見を持っている)
3:go across the sound(海峡を渡る)

A1.全て正解

実はこれ、すべて正解です。「right」は元々「まっすぐな」という意味だったのですが、ここから「道理にかなった、正しい」という意味が派生しました。さらに「正しい」から「正しさ、権利」という意味が生まれたのです。では、なぜそこから「右」という意味が生まれたのでしょう? それは一般に利き手が右の人が多く、右手を使うことが正常とされたことに由来しています。両利きの筆者にとってはなんとも世知辛い話です……。

A2.全て正解

実はこれも、すべて正解です。「spring」の元々の意味は「飛び跳ねる」。ここから、植物の芽が飛び跳ねるように生える「春」、力を加えると飛び跳ねる仕組みの「ばね」、水が地面から飛び跳ねるようにわき出す「泉」などの意味が派生しました。

A3.全て正解

さすがにそろそろバレましたかね。これもすべて正解です。「hand」の基本的な意味はもちろん「手」ですが、この例ではいろいろな着眼点から「手」に関する連想が行われることで、さまざまな意味が派生しています。たとえば手はものを指し示すのに使います。そこから役割が似ている「(時計の)針」という意味が生まれました。また、文字を書く時は普通手を使うので、書かれた文字と手は非常に近い関係にあることになります。そこから「文字、筆跡」という意味が生まれました。では、「(バナナの)房」はどうでしょう? 2つを思い浮かべてみると、細長いものがいくつか根元でつながっている形がそっくりなことに気づけると思います。

A4.全て正解

これもすべて正解なのですが、他の問題とは少し毛色が違います。実は「音、音を鳴らす」という意味の「sound」、「しっかりした」という意味の「sound」、「海峡」という意味の「sound」は、すべて語源が異なっているのです。「音、音を鳴らす」はラテン語、「しっかりした」と「海峡」はともに古英語にさかのぼることができます。記事の前半で、「語源に関連がないにもかかわらず、単語の形だけ偶然一致してしまうこともある」と言いましたが、これはその実例ですね。

いかがだったでしょうか。正直「これはクイズじゃないだろ!」という声が聞こえてきそうではありますが、英語の多義語がもつおもしろさが少しでも伝わったのであれば幸いです。

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