芸能界はブラック体質?清水富美加の”電撃引退”が業界で物議に

デイリーニュースオンライン

写真は「SHIMIZU FUMIKA 1st Photobook」より
写真は「SHIMIZU FUMIKA 1st Photobook」より

 女優の清水富美加(22)が宗教法人「幸福の科学」に出家するために電撃引退した騒動が波紋を広げている。引退理由は「奴隷契約」とも表現される低待遇への不満などとされている。だが、これにワイドショーなどに出演している芸能人たちから厳しい意見が続出。所属事務所「レプロエンタテインメント」の肩を持つようなコメントが連発され、その状況に視聴者から疑問が噴出するなど議論が巻き起こっている。

■宮根・坂上・竹山らは”薄給”理由の電撃引退に厳しい声

 清水側は2011年に『仮面ライダーフォーゼ』(テレビ朝日系)に出演していた当時、一カ月休みなく働いても「月給5万円」だったなどと主張。だが、この話題を取り上げた13日放送の『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)では司会の宮根誠司(53)が「そんなにまだお金の価値もわからない子に、ガバッとあげても大変なことになる」とバッサリ。芸能リポーターの井上公造氏(60)も「この事務所に限った話ではなくて(若手時代に給料が安いのは)どこでもあるような途中過程だと思う」と指摘した。

 さらに同日放送の『バイキング』(フジテレビ系)では、司会の坂上忍(49)が「仮面ライダーの仕事は出たら人気になるが、ギャラなんて微々たるもの」と主張。あくまで知名度を上げることを第一にする時期なので薄給は当然と訴えた。これにゲスト出演したラサール石井(61)も「駆け出しのころはそんなもの、珍しくもない」と若手のギャラ事情に言及し、坂上は「僕らの時もそうだった」とうなずいた。

「レプロ側は『家賃や食費などを全て負担したうえで適切な給与を払っていた』と主張していますが、同事務所のアイドルユニット『バニラビーンズ』のメンバーが、2007年のデビュー時からずっと『月給5万円』だったと明かしたことがある。また、同事務所所属の人気タレント・菊地亜美(26)が『自分の給料ではブランド品が買えない』と語ったこともありますから、全体的に若手が薄給である可能性は高い。しかし、それでも『業界では当たり前』という感覚が芸能界に浸透しているのでしょう」(芸能関係者)

 また、清水サイドは水着姿のグラビアDVDや人肉を食べるシーンがある映画『東京喰種トーキョーグール』(7月公開)の撮影が自身の思想信条にそぐわず、その苦痛で心身ともに不調になったと主張。しかし、これにも『直撃LIVE グッディ!』(同)で司会の俳優・高橋克実(55)が「誰だって葛藤があって役をやっていくわけですから、それ言っちゃキリがない。仕事が成立しない。(役作りで不調になるほど悩むのは)それ、普通ですからね」と穏やかな口調ながらも役者の先輩として厳しい意見をぶつけた。

 清水は事務所との契約が残った状態での電撃引退。撮影中だったドラマや映画、放映中のCMなどがすべて吹き飛んでしまうことになるが、それについても『白熱ライブ ビビット』(TBS系)で出演者のカンニング竹山(45)が「これから(宗教家として人々を)救済していこう、幸せを与えていこうというなら、仕事を残したことで不幸になる人もいっぱいいる。まず、その人たちのことを考えて、そこをきれいにしていきなさい、という話じゃないですか」と疑問を投げかけている。

■ブラック業界?「事務所擁護一色」に疑問が噴出

 著名芸能人からは批判一色といったところだが、この状況に多くの視聴者が反発。ネット上では「事務所擁護が露骨すぎ」「なんで搾取していた側の事務所が一方的に擁護されるの?」「ブラック業界だって胸を張って言えてしまう感覚が異常」「宗教にすがるくらい彼女が追いつめられていたと考えないのか」「レプロは能年玲奈の件もあるのにそれに全く触れないのが不気味すぎる」といった声が沸き起こっている。

「レプロには女優・のん(23)が独立騒動前に『能年玲奈』として所属していましたが、その当時も『月給5万円』という薄給が独立の要因に挙げられていた。当然、幸福の科学側の主張も鵜呑みにはできませんが、この短期間に人気女優が二人も独立騒動を起こすのは異常。売れっ子になってからも納得できる報酬を支払っていなかったからトラブルが続発しているのではないかと勘繰りたくなる。それなのに芸能界は事務所擁護の一辺倒ですから疑問の声が上がるのも当然なのでしょう」(前出・芸能関係者)

 一方、タレントの伊集院光(49)は14日放送のラジオ番組『伊集院光とらじおと』(TBSラジオ)で事務所擁護一色の風潮に言及。「中堅、ベテランになっている人、いわゆる発言権が与えられている人の意見が、あまりにも『彼女は身勝手だ』『仕事を放棄して迷惑をかけるのはけしからん』というのが多い。(その意見が)間違っているとは言わないけど、あまりにもそれ一色なことに気持ち悪さを感じる」と発言した。

 さらに伊集院は今の状況が「寝ずに働いて『俺もう無理です』と言う若者に(先輩が)『俺たちの若い頃はもっと仕事してたぞ』『他の人に迷惑を掛けるから頑張れ』と言うのを良しとしていた時代」と同質だとし、清水が死を考えるほど悩んでいたということに触れながら「そういう人に『仕事の責任を取っていないのにやめるな』というのは俺は違うと思う」と話し、唯一といってもいい「過度な事務所擁護への疑問」を口にしている。

 清水の電撃引退はよくある芸能人の宗教問題の枠を飛び越え、芸能界の「ブラック体質」を浮かび上がらせる騒動となってきたようだ。

文・橘カイト(たちばな・かいと)
※1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、日本のタブーにも数多く取材。主な著書に『真相!禁忌都市伝説』(ミリオン出版)ほか多数。
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