金正男氏を死に追いやった「暴露スクープ」の中身 (2/2ページ)
記事では匿名の国家情報院の関係者を引用し、「国家情報院が金正男を(韓国に)連れてこようとしたが、金正男は韓国よりもヨーロッパや米国に行きたがった。ヨーロッパは北朝鮮情報を渇望していなかったし、米国の立場では金正男が金正日の息子であることは確かだが、他の高位級人士よりは情報価値が落ちると判断した」。
「特別な待遇を要求した金正男と米国側の交渉は決裂し、韓国側も金正男氏の要求と現実的に提供できる限界のギャップが大き過ぎたため、値段が合わないと判断し最終的にあきらめた」と明かした。
この暴露記事が金正男氏の死を呼んだと見られているのであるこの記事を見た金正恩氏が激昂し、積年の邪魔者であった正男氏を、テ・ヨンホ元駐英公使など近ごろ相次ぐ亡命者への「見せしめ」として白昼堂々殺害した――。
つまり、正男氏の死は北朝鮮を含め世界中にいる「脱北予備軍」に対する警告だというのだ。
確かに、「喜び組」パーティーなど体制の恥部を暴露して暗殺された金正日氏の妻の甥も、ほかの脱北高官に対する「見せしめ」として殺されたフシがある。
正恩氏もまた、父と同様に暴かれたくない秘密が山ほどあるだろう。この事件の真相はすぐに明らかになるとは思えないが、「見せしめ」説を検証する余地は十分にあと筆者は見ている。