原価率50%の「288円ランチ」 ある辣腕経営者の型破りすぎる繁盛法 (2/3ページ)
――いま「覚悟」という言葉が出ましたが、ホームページもパンフレットも一切用意していない、お昼のメニュー日替わりのみ等といった潔さは、覚悟のあらわれなのかなと感じます。
天野:うちのお店は、「過剰サービス一切おことわり」。お昼どきに来たお客さんから「日替わり以外のメニューはないの?」といわれても、「日替わりしかないよ。それが不満なら出ていって」と平気でいう。
夜なんて従業員の人手が足りないことがほとんどだから、「ビールのグラスはここで、サーバーはあそこに置いてあるから、場所おぼえておいて。お替り欲しくなったら、自分でついで」ともいったりする。
数えるほどですが、うちのお店のルールに従ってくれないお客さんには「もう来ないで」と追い出したこともあります。そういうお客さんほど、数日後にやってきて、「あのときはすみませんでした、入れてください」というのですが(笑)。
飲食業界の常識からすれば、かなり非常識なことをやっているのかもしれません。でも、リピーター率9割で、連日大繁盛しています。
――実際のメニューを見てみると、お金をかけるべきところには惜しみなくかけていることも伝わってきます。288円ランチの話を聞いて、「安かろう悪かろう」なメニューを思い浮かべる人は少なくないと思うのですが。天野:ランチのメニューは原価率50%でやっています。これは業界平均からいって、かなり高く、運営しているほうとしてはかなりギリギリな状態です。
原価率がこんなにも高くなるのは、素材にこだわっているから。たとえば調味料なんて、醤油はノンアルコールのもので1リットル800円、塩もヒマラヤ岩塩で750グラム1000円という、かなり高価な銘柄を使っています。
――なぜ、材料にこだわろうと思ったのですか。天野:まず、自分の子どもに食べさせられないものは、お客さんにも食べさせられないと思ったからです。「安心安全なものを」と思ったら、こういう素材を使わざるをえない。
もっといえば、なぜ食堂を始めたのかという話にもかかわってきますね。