二刀流・大谷「厚遇戦力外」と斎藤佑「花道開幕投手」の明暗他

週刊実話

 土俵際の日本ハム・斎藤佑樹(28)が再クローズアップされている。かつては「持っているオトコ」とも称されたが、何かを引き当てる妙な運はまだ消えていなかった。その斎藤、開幕投手に大抜擢されそうなのだ。
 「大谷翔平(22)の右足首故障は、案外、長引くかもしれません。たとえ本人が投げられると言っても、栗山英樹監督が無理をさせないでしょう」(球界関係者)

 今シーズンが「大谷の見納め」との情報も交錯している。オフの入札制度によるメジャーリーグ挑戦を球団が容認しているからだが、もし今季がラストイヤーなら、連覇のためにもチームに貢献してもらいたいと誰しも思うところだ。しかし故障が長引けば、出場機会は投打ともに激減する。球団と栗山監督は「無理をさせるより、怪我の完治を」と考えている。
 「普通に考えたら、昨季11勝の有原航平や、同10勝した高梨裕稔が候補になりますが、普通の予想が及ばないところが日本ハムの長所なのです」(同)

 チャンスが転がり込んできた斎藤が「オフの特訓成果」とやらを見せたのが、2月9日(日本時間10日)の紅白戦だ。2イニングを投げ、自責点ゼロ。数字上では順調と見ていいだろう。
 「ケビン山崎氏が主催するジムでの自主トレをマスコミにも公開していましたが、ジムスタッフも『本当によく頑張っている』と、話していました」(TV局員)
 関係者には失礼かもしれないが、山崎氏の名前を聞くと、プロレスラー体型になった清原和博や、その教えを消化できずに引退した元大関千代大海(現九重親方)を思い出すのだが…。

 今季初登板となった紅白戦での投球について栗山監督は「(対戦打者の)打ち取り方のイメージができている。手応えはこっちにもある」と褒めたが、現地入りした記者らの評価は厳しい。
 「真っ直ぐは140キロそこそこで、フォークを投げても相手バッターに当てられていました。ツーシーム取得に再挑戦しているようでしたが、本番で使えるのかどうか疑問です」(取材記者)

 斎藤は大学から入団当初まで、軸足をちょっと折り曲げる投げ方をしていた。この投球フォームが右肩故障の遠因とも言われるが、これをまた復活させている。
 「斎藤は大学時代に股関節を痛め、それが今も治っていないと、ケビン氏が自主トレ公開時に明らかにしていました。故障箇所に痛みが生じないよう、股関節を柔らかくするために、昔の投げ方に戻したようです」(前出・TV局員)

 その斎藤に、ヘンな注目が集まっている。日本ハムナインたちが「セクシー」と呼び始めたのだ。
 昨年末に放送されたバラエティー番組で二枚目俳優の斎藤工がお笑い芸人の絶叫ネタをモノマネし、「セクシー」と連呼。このぶっ飛んだ絶叫がネットニュースで話題になり、斎藤工は時の人となった。
 これが新ニックネームに繋がったのだが、もっとも日本ハムの斎藤は「セクシー」と呼ばれても苦笑いするだけ。こういう『反応の薄さ』も勝てない原因の一つだ。
 「歴代投手コーチや栗山監督が色々とアドバイスを送ってきました。でも、素直に聞く耳を持つのは、故障中に面倒を見てもらったトレーナーの話だけ。キャッチボールの相手もトレーナーでした」(前出・関係者)

 股関節の古傷、右肩故障でしなやかさが消えた腕の振り。栗山監督も斎藤が“限界”なのは分かっているはずだ。なのに開幕投手に起用するのは、ここまでの努力へのご褒美であり、思い出作りでもあるようだ。

 「大谷の右足首の故障がこんなに酷かったことは、NPBスタッフも本当に知らされていませんでした。侍ジャパンの小久保裕紀監督も、会見で故障の真相を知ったほどです」(同)
 WBCの出場メンバーは25人。そのうち「13人以上は投手で」という規則もあり、NPB側にすれば、「投手は辞退」という日本ハム側の会見に当惑するのは当たり前だ。「打者・大谷」を残すとなれば、他の野手を外し、投手を2人追加招集することになっていた。外された野手、所属球団はどう思うか? 昨秋の強化試合時点で右足首故障の詳細を報告しなかった日本ハムに対し、「ひとこと言っておいてくれれば!」と、憤る関係者は少なくなかった。

 それでも、日本ハムの“独自性”は変わらないようだ。大谷がNPBラストイヤーであっても、治療を優先させる。大谷の花巻東高校時代を知る他球団スカウトがこう言う。
 「大谷は『捻挫グセ』のある球児でした。外野守備の際、芝生の切れ目で足首をひねったとか、ベースランニング中に痛めたとか。日本ハムは根本から治療する時期と判断したのではないか」

 日本ハムからメジャーに渡ったダルビッシュ有は日本最終年に自己最多の232イニングを投げた。一方で、野茂英雄のようにリハビリに専念して渡米した投手もいた。栗山監督は無理をさせず、「野茂スタイル」で送り出すつもりだろうか。
 欠員枠を斎藤に与えるのも、同監督の優しさだろう。斎藤もプライドを捨てなければ、「開幕登板した翌日に二軍落ち」なんてことにもなりかねない。

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