低視聴率なのになぜ?松たか子『カルテット』が”熱烈支持”のワケ

デイリーニュースオンライン

TBS『カルテット』公式ページより
TBS『カルテット』公式ページより

 松たか子(39)が主演を務める火曜ドラマ『カルテット』(TBS系)が、じわじわと人気を集めている。初回放送の9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)が現在のところ最高の視聴率で、回を重ねるごとに視聴率はやや下降気味になっている。しかし、緻密な演出と胸にグッとくるセリフの数々に、ネットを中心にファンを増やしているようだ。2月21日に放送された第6話も、平均視聴率が7.3%だったものの、思わぬ展開を見せた内容だっただけに、Twitterでは放送終了直後『カルテット』に関わるツイートが多数見られた。

 また、同ドラマに出演していない俳優の瑛太(34)も自身のTwitterで、放送後毎回欠かさず熱い感想をツイートしている。視聴者だけでなく、人気俳優まで魅了している『カルテット』だが、なぜ視聴率に繋がらないのだろうか。

「『カルテット』は、熱狂的なファンを持つ脚本家の坂元裕二(49)が脚本を務めています。その特徴は、登場人物の心情を分かりやすくセリフにせず、緻密な映像演出で見せる点や、胸に突き刺さるセリフの妙。昨今では稀に見る“流し見”しにくいドラマです。それ故に、リアルタイムで視聴するより“録画して、あとで巻き戻しながら見たい”という視聴者が多いからではないかと思いますね」(ドラマライター)

 22日に行われたTBSの定例社長会見では、武田信二社長 (64)が同ドラマの視聴率が伸び悩む点について、 「ドラマの性質があるのでは」「じっくり見るドラマで、そうした(録画などで見る)見方をしている視聴者が多いのではないか」「ディテールにこだわったドラマの性質があり、会話劇として、じっくり見る方が多いのではないか」と、局側も寛大な捉え方をしているようだ。

■『カルテット』が逆襲開始か

 坂本は、かつて一世を風靡したドラマ『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)の脚本も務めている。今考えれば、トレンディドラマの代表格と言っても過言ではないドラマを担当していたのは意外だが、その後も、『最高の離婚』『問題のあるレストラン』など、自身が脚本を担当したドラマは、ほとんどがフジテレビで放送していた。

 熱心な“坂本ファン”の間では、新作はもちろんフジテレビだろうと思っていたが、蓋を開ければTBSだったことをやや不思議に思う人もいたようだ。坂本が、フジテレビで最後に脚本を手掛けたのは、有村架純(24)が主演の月9ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』だ。関係者の間では、その作品がきっかけになっているのではないかと言われているという。

「内容の評価は高かったのですが、放送当時の視聴率は“爆死”。月9は、フジを代表するドラマ枠のため大企業のスポンサーが付いており、そことの兼ね合いもありクレームもあったようです。結果、最終回は時間を拡大できず、違和感のある編集で、明らかに話をすっ飛ばした内容が放送されました。その対応に怒った坂本が、フジテレビと縁を切ったと言われているようです」(芸能関係者)

 さらに関係者は、それを見かねたTBSのドラマ関係者が坂本に声をかけ、視聴率に関わらず、坂本の作品性を十分に発揮できるよう、舞台を整えて迎え入れたという。

「同枠の作品が、あの“逃げ恥”ですからね。その後なら、いくら視聴率が低くてもスポンサーに言い訳ができるからというTBS側の配慮でしょう。ドラマ班は坂本の作品に魅力と可能性を感じている証拠でもあります」(ドラマ制作関係者)

 くしくも、現在放送中の月9『突然ですが、明日結婚します』は、“月9史上最低視聴率”を叩き出している。『カルテット』の逆襲はあるのか。今後に注目したい。

文・真田栄太郎(さなだ・えいたろう)
※1978年神奈川県出身。大学在学中にフリーライターとして活動を始め、『東京ダークサイドリポート』(ワニマガジン社)、『週刊宝島』(宝島社)、『Hot Dog Press』(講談社)などに寄稿。現在は週刊誌の記者・編集者として事件、芸能取材に奔走する
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