トランプ大統領を生んだアメリカの「企業と政治の癒着」の実像 (1/2ページ)
ドナルド・トランプ氏の大統領就任から一カ月あまり。
就任早々の大統領令連発やメディア批判など、選挙戦中と変わらぬ騒々しさに、ニュースを見ているだけで疲れてしまう人も多いのではないか。
ただ、それでもドナルド・トランプという人物がアメリカの大統領になってしまったという事実に私たちは向き合わなければならない。その背景には、格差社会の成れの果てがあり、それは日本にとっても他人事ではないからだ。

「なぜクリントンが負け、トランプが買ったのか」または「なぜトランプの勝利をメディアは予想できなかったのか」という検証は、選挙終了後から大統領就任までの期間内にさまざまな形で行われてきた。
しかし、そのほとんどは専門家によるマクロ的見地からのもので、トランプを支持したアメリカ市民の声が取り上げられることは少なかった。
しかし、トランプを支持したのは本当に「無知な人々」だったのだろうか?
『アメリカで感じる静かな「パープル革命」の進行とトランプ大統領誕生の理由』(ジュンコ・グッドイヤー著、シャスタインターナショナル刊)は、「誰が、なぜトランプを支持したのか」という問いに一石を投じる。
日本出身だがアメリカ人の夫を持ち、アメリカで暮らすジュンコ・グッドイヤーさんは、今回の大統領選挙でトランプに投票した一人であり、選挙結果についても「驚きでもなんでもなく、アメリカにとって必然に近い流れ」としている。
その理由は「格差」と「政治と企業の癒着」だ。
アメリカに広がる「格差」については今さら説明するまでもないだろう。夫の仕事の都合でアメリカ国内を転々とした著者は、格差という言葉では表しきれない光景を各地で目にした。