後ろも、押してくれる。サンウルブズ山本幸輝が観た後半34分のスクラム2本 (2/2ページ)

ラグビーリパブリック

組む人数を7人とし、より低い姿勢を取る。サンウルブズは、思うような攻略ができなかったという。

 どうやら2本目の折、相手の選手は地面に手をつきながら耐えていたとの証言がある。もし、レフリーからそのように見なされれば、もう一度ハリケーンズの反則が重なったろう。山本は振り返る。

「向こうは何としてでも止めようとしていて…。そこでもこだわり切れたらもっとよかった。ただ、(1本目の)スクラムでペナルティを取れたことは、自信につながったと思います」

 この一連のスクラムには、隣で組んでいたHO、日野剛志も「1本押してペナルティを取ったけど、相手の絶対に押されちゃいけないというプライドで止められた。向こうはダン・コールズ(途中出場のニュージーランド代表HO)を中心に『絶対に押されるな!』と言っていたようだった」。ヤマハでも山本のチームメイトである背番号16とて、収穫と課題を口にしていた。

 もっとも確かなことはひとつ、あった。チームは2月1日に始動したばかりなのに、反復練習が必要なスクラムで納得できる成果を示したのだ。

 試合終盤には向こう側より素早くまとまり、相手ボールスクラムを左側から押し返した。背番号17は、「時間的にも最後。本来の形であればバズさん(サンウルブズの右PRに入った浅原拓真)が真っすぐ前に出るなか、僕が(力学上、足もとへ来る)ボールへプレッシャーをかけたかったところ。それで結果(スクラムが左から右へ)、回ってしまったのですけど、押すという姿勢は最後まで貫き通せた」と、内なる感覚を明かす。

 長谷川コーチの唱えるスクラム理論には後方からの押しも不可欠だが、山本はこうも続ける。

「そこには長谷川さんのわかりやすい落とし込み方もあると思います。ここまでスクラムに対する勉強をするのは初めてという人(FW第2、3列目)もいるなか、それぞれがまじめに取り組んでくれる。あとで映像を観返したらわかると思うんですけど、相手選手と組む前の準備が全然、違う。そこまでやってくれると僕らもこだわりがいがあるというか、信頼して(相手に)挑んでいける」

 身長181センチ、体重116キロの26歳は、2013年度にヤマハ入り。前年度もサンウルブズに参戦して開幕節に出場した。しかしその直後には、重度の肉離れで離脱を余儀なくされていた。昨秋の日本代表デビューを経て迎えた今季は、実り多き日々を過ごしたい。

(文:向 風見也)
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