高齢者に限らぬ孤独死”おひとりさまの死”が普通になる未来|やまもといちろうコラム (2/2ページ)
■身近に潜む突然死のリスク
男として思うのは、そのぐらいの年齢になって結婚せず一人暮らしをしていると、当然のことながら掃除は行き届かないばかりか、自分の好きなことに没頭する時間が長いこともあって、人にあまり見せられない趣味の類が部屋中に積み重なっていても何も不思議ではないということです。
これは、良いとか悪いとかではなく、現代人として生きていくために認められているプライバシーや個人の権利を享受して暮らしていると、一定の割合でそういう問題も起こし得る人がいる、ということになります。突然死は全部が全部本人の責任ではないでしょうし、防げるものであれば不幸な事例を減らしたいのは人情です。でも、コンビニや郵便局などでもコミュニケーションを取りたがらない傾向が強い人がいるのも現代です。うっかり挨拶するとむしろ怪訝な顔で見られる社会において、とりわけ都市部で起こす比較的若い年代の孤独死が何を意味するのかはよく考える必要があります。
そして、傾向としての晩婚化、非婚化で、家族との関わり合いもない、身寄りのない個人が今後激増することが分かっています。
内閣府の調査でも、非婚割合の増大は問題だとしつつも、現代社会において現代人が合理的な選択をした結果、若いころに結婚をしないという判断をしたものの、中年、高齢になって本格的に誰も身寄りがいない、身許を引き受けようがないという事例がすさまじく増えている実態を憂いています。
結婚しなかった、できなかったという理由は個人によって千差万別ですが、望まない死は避けなければなりません。
一人で暮らしていて、突然凄い頭痛が襲ってきた、胸が苦しくなったという状況から自力で救急車を呼ぶまでの間に意識を失い、そのまま亡くなるケースは、やはり家族が不在である個人にとって最大のリスクにもなります。自分は健康は大丈夫、自分にはそういう悪夢は起きないはずだ、という思い込みや願いとは別に、何かこういう問題を救済できる仕組みがあるといいのですが。
著者プロフィール

ブロガー/個人投資家
やまもといちろう
慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数
公式サイト/やまもといちろうBLOG(ブログ)
やまもと氏がホストを務めるオンラインサロン/デイリーニュースオンライン presents 世の中のミカタ総研