膣カンジダの感染経路は、セックスだけではありません。疲れが溜まったり免疫力が下がると、「自己感染」として発症してしまうことがあります。しかも膣カンジダは再発しやすく、慢性的に苦しめられている女性も少なくありません。

今回お話を聞かせてくださったのは、ラブグッズ通販「ホットパワーズ」の宣伝広報担当・みくらさん。明るくてキュート、そしてセクシーなキャラクターで、男女問わず多数のファンを抱える女性社員さんです。

今回インタビューをさせていただくきっかけとなったのは、みくらさんご本人のTwitter投稿でした。

結局外陰腟カンジダ症で股間が大ダメージですぅ痛痒い…ぐぬぬ　膣錠ぶち込んでお薬ぬりぬりしたら結構すぐ効果あるから助かるけれども！免疫力低下すると再発したりするから油断できないですぅ( ；∀；)
性器カンジダ症↓https://t.co/V8e6y4BgsM

— みくら【新商品：夢無花果ゆめいちじく】 (@hop_mikura) 2017年2月21日

カンジダ菌は、誰の体にも常在菌として存在しているもの。そのため膣カンジダは、いつ誰が発症してもおかしくないものなのです。

——はじめてカンジダ発症したのは、いつごろのことですか？

10年ぐらい前かな。

——慢性的に症状が出てしまうんですよね。どんなときに発症しますか？

体調が悪いときや、季節の変わり目などで体温調節がうまくできないとき。「あれ？ なんだかデリケートゾーンがかゆい……？」という風に、症状が出てから気がつく感じ。

——原因として思い当たることはありますか？

不特定多数とセックスしているわけじゃないし、他人からの感染はありえない。それでカンジダについて調べたら「自己感染」というものがあると分かって。こういうのって案外知らないことが多いから、やっぱり知識は必要だな……と思った。

自己感染してしまうのは、ストレスによる免疫力低下が原因みたいね。今回Twitterで「カンジダ発症した！」とつぶやいたら、感染したことがある女性から「ストレスかな？ 大丈夫？」と聞かれたりして。ほかの女性も、カンジダの原因はストレスによるところが大きいんだって自覚してるんだね。

——カンジダの症状が出るペースは？

1年に1度、あるかないかぐらい。

——特に症状が出やすいタイミングはありますか？

「最近、体調悪いな……」というとき。生理前で免疫力が下がると風邪をひいたりするんだけど、そういうタイミングで体調を崩しやすくて。

今もちょうど生理前だから、カンジダの症状が出てきて「ああ、やっぱり来たか！」と思った。疲れがたまっているから、しょうがないよね……って感じ。

——もうそろそろ「カンジダが来そう」というのが、自分で分かるんですね。

疲れていたり体調を崩したり……というタイミングで出やすい。私は膀胱炎にもなりやすいんだけど、こちらも体調が良くないときに症状が出てくる。

——カンジダ発症すると、どんな症状が出ますか？

デリケートゾーンが痛がゆい！　かゆみより先に「ヒリヒリするな、痛いな……」と。透明のおりものが出てきて「あれ？」と思ったら、カンジダの症状が出てくる。

膣がかぶれたり、カッテージチーズ状のおりものがボロボロっと出たり。膣まわりは全体的に腫れぼったくなる。赤黒く腫れる感じだね。「ただれる」とか「かぶれる」という表現がしっくり来るな。

——おりもの量は増えますか？ においは？

透明なおりものは、すごく量が増える。においは、私の場合はなかったな。

——デリケートゾーンが痛がゆい……仕事中なんかは、すごくストレスになりますよね。

今この時間になって落ち着いてきたけど、今朝までヒドくて！　歩くとこすれて刺激になるから、気が狂いそうになる。（笑）　膣の入り口がただれているし、膣の中がとにかくかゆいんだよね。ムズムズする。

掻けないから耐えるしかない。夜も目が覚めてしまって、熟睡できなくて……。

——膣まわりを触るのは、治療には良くなさそうですよね？

カンジダ発症しているときは、膣まわりは触っちゃダメ。お風呂でもボディーソープを使っちゃいけないから、お湯だけでキレイに流す。

気持ちとしては使い切りビデとかを使いたいところだけど、治すための菌（自浄作用を持つ菌）まで流してしまうから使えない。

——じゃあ、カンジダ発症したときの過ごし方をまとめると……？

きちんと薬を使って、治るまでただひたすら待つしかない。耐えるしかないんだよね。3日もすれば症状が落ち着くから、それまでは寝る前に膣錠を入れて、トイレのたびに塗り薬を塗る……という生活だね。

——お仕事中も、もちろんツラいですよね。

普通に座ることさえツラい！　膣への圧迫が刺激になってヒリヒリするから、まっすぐ座れないの。歩いたら歩いたでこすれてツラい。

——ツラさを緩和させるために気をつけていることは？

膣が蒸れると良くないから、そのあたりは気をつけてる。下着は綿のものを選んだり、とにかく蒸れるものは避けたほうが良い。冬だとタイツを履いたりするけど、本当はそれも良くないみたい。

おりものの量が増えて、どうしても下着が汚れちゃう。だからおりものシートやナプキンを使って、日に何度か取り替えたりしてる。

——カンジダ発症しないように気をつけていることはありますか？

たっぷりの睡眠が何よりも良い！　免疫力は寝てるときに作られるから、きちんと体を休めないとね。免疫力が下がらないように、ひたすら気をつけることかな。

仕事が忙しい人なら寝る時間が少ないとか、仕事中トイレにも行きにくいとか、そんな環境があるかもしれないよね。気をつかって抗生物質を飲んでる人でも、なるときはなってしまうもの。しょうがないよね……。カサイさんは、カンジダ感染したことはない？

——実はないんです。

良いことだよ！　それが一番良いよ……！　私もデリケートゾーンでツラい思いをするのは膀胱炎や自己感染のカンジダぐらいだから、まだ良いかもしれないけど……。

カンジダの症状が出ているときは、膀胱炎に似たツラさがある。トイレのときにおしっこが出にくいというか、出し切った感じがしないの。

——膀胱炎はツラいですね。痛みもあるし、うまく排尿できないし……。私も一度かかってからは、トイレをガマンするのが怖くなってしまいました。（笑）

——使っている薬について教えてください。何度か発症しているから、薬はドラッグストアで買っているんですね？

膣錠も塗り薬も、種類がいくつかあって。もう自分で症状が分かっているから、ドラッグストアで薬剤師さんに相談して買いました。勧められたのは、このふたつ。

上は膣に入れる錠剤「フェミニーナ 腟カンジダ錠」（小林製薬・税込 税抜2,800円）、下は塗り薬「メディトリートクリーム」（大正製薬・税抜1,220円）。どちらも膣カンジダの再発治療薬です。

——膣錠はどう使うんですか？

シャワーでキレイに流してから、膣の奥のほうに入れます。ただ、とても入れにくい。カンジダ発症しているときって、膣から水分っぽいものは出るんです。だけどヌルヌルしていないから、錠剤が滑って入っていかない。力技で入れるしかなくて、昨日も「痛い！ 痛い！」って言いながら入れました。（笑）

——ぎゅっと押し込むんですね。

膣に指を入れるのに慣れてない人だと、大変かもしれないね。抵抗感もあるだろうし、浅いところに入れて終えちゃう人もいると思う。本当に入れにくいけど、そこはもう頑張って奥まで入れるしかない。

——膣錠、効き目はどうですか？

6日続けて使わなくちゃいけないんだけど、3日目でひとまず症状はおさまる。さらに6日目になると、完全におさまる。薬をきちんと使っていれば、1週間ぐらいでキレイに症状がおさまるはず。

だけど3日使ってみて症状が変わらないようなら、病院に行かなくちゃいけない。

——塗り薬はどう使うんでしょうか？

膣まわりと、クリトリスのところに塗ります。薬が膣内に入らないように気をつけて、まんべんなく塗る。

——一回につき、どのぐらいの量を手に取りますか？

薬のパッケージには適量って書いてあるけど……適量ってよく分からないよね。（笑）

——適量っていう言葉、困りますね。（笑）

私はこのぐらい（指の関節ひとつ分）を出して使ってる。パッケージには「3日間使って症状の改善が見られない場合か、6日間使用しても症状が消失しない場合は病院へ……」って書いてあるね。3日使っても症状がおさまらないときは、カンジダだけじゃなくほかの性病も併発してる可能性がある……ということみたいね。

——以前、病院で診察を受けたことはあるんですよね？

うん。でも何度かかかっていると、症状が出たときに自分で「カンジダだ！」と分かってくる。「いちいち病院に行っていられない！」というぐらい忙しい時期もあるから、そういうときに自分で対処できるのは助かってる。最近は24時間営業のドラッグストアがあるから、いつでも駆け込めるのはありがたいな。

——何度か発症している経験と知識があるから、症状が出たとき自分で対応できるんですね。

膣錠は難しいところなんだけど……。病院で「カンジダです」と診断されないと、この薬は使えないの。「透明のおりものが出た」というだけではダメなんだよね。自己判断だと、そういう点が怖いよね。体やデリケートゾーンがおかしいなと思ったら、まず病院に行ったほうが良いよ。

——カンジダ発症しているとき、パートナーにはどう伝えていますか？

症状が出たとき、パートナーにも具体的に説明したことがあって。そうしたら「なんとなく知ってはいたけど、症状や治療のことは全然分かってなかったな。大変なんだね……」と言われました。

性病って言ってもさ、パートナーから感染するものと、もともと人の体内にある菌からの自己感染だったり、色んなものがあるんですもんね。調べてみないとわかんない事ばっかりだったけど、無知はやっぱりダァメですねぇ（＾ν＾）

— みくら【新商品：夢無花果ゆめいちじく】 (@hop_mikura) 2017年2月21日

パートナーとセックスした直後に、カンジダの症状が出てきたことがありました。2~3日後だったかな。

——パートナーに感染しませんでしたか？

たぶん大丈夫だとは思っていたけど、一応「カンジダ発症したんだけど、うつってない？ 大丈夫？」と確認しました。パートナーからは「大丈夫だよ」とのことだったので、ギリギリでタイミングが良かったんだね。前もって「慢性的にカンジダになることがある」と説明してあったから、パートナーもすぐ分かってくれた。

——もしパートナーに理解や知識がなかったら、もっと大変だったでしょうね。

うん。知識がないゆえに「性病って人から感染するものでしょ？」「自己感染や免疫力低下で発症するなんて、ありえないでしょ？」と決めつけてしまう人は、きっといるよね。

——お仕事先は、そういう話や相談をしやすい環境なんでしょうか？

全然言える。会社でも「カンジダになったよ」と説明しました。お客さまからそういうお問い合わせがあったりもするから、社内は疑問点を聞き合ったり情報共有ができる環境。

会社では「症状はどうなの？」と聞かれた。「膣の中と入り口が全部痛がゆい！ 男の人なら、尿道の中がかゆいって想像してみて！」と言ったら「ああ……それは死ぬわ……！」って。そんな状態になったら本当ツラいよね……という話に落ち着きました。（笑）

私自身に膣カンジダの経験がないため、今回のインタビューからは新しく知ることばかりでした。

彼女の話から分かったのは「日常生活を送るのがツラいほどの症状が出ること」「きちんと治療すれば1週間ほどで治ること」など。しかし膣カンジダを発症したとき、もっとも難しいのはパートナーの理解を得ることではないでしょうか？　きちんと理解を得るためには正しい知識を持ち、そして正しい情報を伝えることが近道になるのだと痛感しました。

今回お話を聞かせてくださったみくらさんは慢性的に膣カンジダを発症してしまうため市販薬での対処ができますが、よく分からない状況での自己判断は禁物です。デリケートゾーンが痛がゆい、腫れぼったい、おりものの量が増えた……など「おかしいな？」と感じるときには、まず病院へ足を運んで正しい対応を取ってくださいね。

文：カサイユウ

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参考資料：
フェミニーナ腟カンジダ錠│製品情報│小林製薬株式会社
カンジダ 薬 メディトリートシリーズについて｜メディトリート｜大正製薬

「この記事について」
特定の治療方法や医学的な考え方・評価をすすめるものではありません。
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