お中元の時期はいつ? 知っておきたい基本マナー

フレッシャーズ

毎年6月下旬になると百貨店やネットショップなどで「お中元セール」が始まります。暑くなるころですから、タオル、ビールやそうめんなど、お世話になった人に喜んでもらえるものを選んで贈りたいですね。さてこのお中元ですが、あなたは「贈るのはいつか」「なぜこのような風習があるのか」をご存じでしょうか? 今回は、お中元の時期、目的など基本的なマナーと知識を解説します。


■そもそも「中元」ってナニ!?

そもそも「中元」とは何なのでしょうか? 『広辞苑』『大辞林』で言葉の意味を調べてみますと……。

⇒中元
1.(正月一五日を上元、一○月一五日を下元として祝うのに対して)七月一五日の佳節。半年生存の無事を祝い、盂蘭盆(うらぼん)の行事をし、亡霊に供養する。
2.中元の時期にする贈物。
※『広辞苑 第六版』P.1813より引用

⇒中元
[道教で、人間贖罪(しょくざい)の日として神をまつった日。上元・下元とともに三元の一]1.旧暦七月一五日のこと。元来、道教の習俗であったが、のちに仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)と混同され、死者の霊を供養する。
2.1.の時期の贈り物。現在では七月の初めから一五日にかけて、世話になった人などに送る。(後略)
※『大辞林 第三版』P.1627より引用

『広辞苑』『大辞林』、両方に登場する「盂蘭盆(会)」は、旧暦7月15日を中心に、13日-16日の4日間行われる仏教行事で、いわゆる「お盆」のことです。このように「中元」は、元々は道教のものだったのが仏教の「お盆」と結び付き、贈り物をする風習として根付いたわけです。旧暦の7月15日ですから、現在では新暦で8月15日をお盆とすることが多いですね(そのまま7月15日とする場合もあり)。

調べてみますと、昔は「お中元」の贈答も、東日本では7月頭から中ごろまで、西日本では8月頭から中ごろまでと、行われる時期が分かれていたようです。東日本は旧暦の日付けのまま、西日本では新暦に置き換えて行われていた(現在もそのままの地域があります)、と考えられます。

現在では、7月頭から中ごろまでに、お世話になった人・会社などに感謝の気持ちを込めて贈り物をするのが一般的なようです(地域差があります)。

■お中元にまつわるマナーあれこれ

お中元についてのマナーですが、まず何より気を付けないといけないのは「贈る時期」です。前記のとおり、現在では7月中ごろまでに贈るのが一般的です。さらには「土用」に入るまでに贈らないといけません。土用は毎年日が変わりますが、夏の土用の入りはだいたい7月19日前後ですので、お中元はその日までに贈ります。

もし土用の入りまでに贈り損なった場合には「暑中見舞い」「残暑見舞い」となります。その際には「お中元」の「のし紙」を使わないように注意しましょう。二重にうっかりミスをすることになりますからね。

次に注意したいのは贈り主・贈り先が「喪中」でないかです。一応「贈り主、また贈り先が喪中でもお中元を贈り合うのはマナー違反ではない」とされていますが、喪中の場合は……と遠慮する気持ちになる人もいるでしょう。このようなケースでは、あらかじめ贈り先の意向を聞いてみるのがいいかもしれません。その上で贈るのであれば非礼に当たらないでしょう。

「お中元」を贈られた人は「お返し」について悩むかもしれませんね。しかし、基本「お世話になった人」に贈るのがお中元ですから「お返しは不要」というのが常識です。しかし、どうしても気になるという場合には「お礼状」を送るようにしましょう。

また、お世話になった企業にお中元を贈る場合には、間違っても「賄賂」と取られないように気を付けなければなりません。このような誤解を避けるために「盆暮れの贈答品はご遠慮申し上げます」としている企業も最近では多くなっています。

お中元のマナーと基礎知識をご紹介しましたがいかがでしたか? 最近ではかつてほどお中元の文化が盛り上がっていない向きもありますが、日本伝統の風習であることは確かです。たとえ贈り物をしなくても、社会人として「お中元」について基本的なマナーは知っておいた方がいいでしょう。

(高橋モータース@dcp)

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