【遺産分割】財産と負債がそれぞれどれだけあるのか調べる具体的な方法

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【遺産分割】財産と負債がそれぞれどれだけあるのか調べる具体的な方法

先月のとある日曜日、筆者の知人から相続に関係する質問を受けた。質問の内容は、節税に関することであったが、相続人や遺産分割に関する問題は無いものと見受けられた。だが、話しを聞いている内に、根本的な問題があることが分かったのだった。それは、知人の父親が所有する財産が一体幾らあるのか、ということを知人自身が把握していなかったことだ。筆者は知人に対し、相続税の節税云々よりも最初に財産と負債の現時点での総額を確定させた方が良い旨を伝えた。話しはそこでお開きとなった。

■遺産分割協議の前にするべきことは「相続人の確定」と「財産と負債の確定」

相続人達が、被相続人の財産と負債を把握していないことは良くあることだ。だからと言ってそのまま放置していたら、相続そのものが出来なくなってしまう。

財産と負債の総額の確定と、相続人の確定は遺産分割協議以前に必ずやらねばならないことなのだ。今回は、財産と負債の総額の確定について綴ってみたい。

■財産とは「不動産・預貯金・有価証券」 負債とは「不動産ローン・事業用ローン、消費者金融ローン」

相続されるべき財産は、主に不動産・預貯金・有価証券がある。そして負債は、不動産購入ローンや個人事業主の事業用ローン、消費者金融のローン等がある。

手始めとしては、被相続人の自宅並びに実家(現住所と故郷が同一ならば自宅のみ)において、保管してある書類を徹底して調査する。例を挙げると不動産ならば権利書や固定資産税の明細書等だ。預貯金ならば銀行の通帳であり、有価証券ならば株主や出資先の企業から郵送される、株式総会招集通知書や配当金計算書となる。

更に、法務局に行って不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)を取得する。これは、土地や建物について現時点での所有者や面積並びに正確な所在地が判明するばかりか、高額のローンを組んだ場合、各銀行への担保として土地に抵当権が設定されているので、抵当権の内容とローンの借入先が判明するからだ。

■書類をチェックした後は、それぞれの評価額を決定させる手続きへと進む

書類の調査が終わったら、次は不動産並びに有価証券の評価額や預貯金の残高の確定、各ローンの残高の確定手続きを実施する。

不動産の場合だと、当該不動産が所在する市町村において、固定資産税評価証明書を取得すれば良い。これは、相続税の算定時における不動産評価額の最も信頼性の高い目安となるからだ。預貯金については、銀行にて残高証明書を発行して貰えば良い。更に、同一の銀行でローンを組んでいるならば、同時にローンの残高証明書の発行して貰えば手間が省ける。有価証券の場合は、手続きが煩雑となるので割愛する。

■これらの各作業や手続きが困難だと判断すれば、専門家に依頼をするのもアリ

何れにせよ資料の収集から始まり、それを精査し、正確な金額を確定させることだ。財産と負債の両方が確定しなければ、遺産分割協議が始まらない。自分達で金額の確定が困難ならば、税理士等の専門家に相談しつつ、金額の確定作業も依頼すれば確実だ。ほんの少しでも相続に掛かる可能性がある場合には、一人で悩もうとせず積極的に専門家と相談し、対応して欲しいと願う。

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