錦織は18位ソックのスピン攻略できず、悔い残るベスト8 [BNPパリバ・オープン] (2/2ページ)
相手コートにねじ込むような独特のフォームから繰り出されるソックのショットに押されがちで、自分から攻めてもミスになったり逆に相手にチャンスボールを与えたりと大苦戦。ふたりとも、コートの中は強めの風が舞っていたと言ったが、その中でボールをより正確にコントロールできていたのはソックのほうだった。
錦織は第2ゲームをブレークされ、ソックはその後、安定したサービスゲームを展開。ブレークチャンスが訪れる気配のないままセットを失った。
第2セット、2度のブレークに成功してセットを奪った錦織のプレーからは、徐々にソックのショットに合ってきたようにも見えたが、本人は決して復調の手応えを感じたわけではなかったという。
「2セット目は(ソックが)くれたようなもの。今日は試合全体を通して心地いい感じはなかったです」
第3セット第1ゲーム、積極的にネットに出た錦織に対し、ソックのパッシングショットが冴えた。いきなりブレークを許し、第4ゲームと第6ゲームでブレークバックのチャンスを握ったものの、ソックのキックサーブに対応しきれず、生かせなかった。
あとでソックは、「このコートなら僕のキックサーブは有効だ。ケイがラケットの芯でボールをとらえたら、いつだって誰だって倒せる。僕ができることは、彼がボールを支配しやすい腰の位置で打たせないようにすることだった」と作戦を明かした。
強烈なスピンで高く弾ませるショットの多用は、「心地いい感じはなかった」という錦織の言葉を聞くまでもなく大成功だった。
度重なるブレークチャンスをものにできなかったのは、自身のサービスキープに苦しんだこととも無関係ではないだろう。第3ゲームのピンチはしのいだものの、第5ゲームは5度デュースを繰り返した末にブレークされた。サービスゲームに費やすエネルギーが増したことは間違いない。
「もうちょっといろんなことにチャレンジすればよかった」
試合中に、冷静に修正できなかったのが残念だ。
ソックにとっては、トップ5との8度目の対戦にして初勝利。与えてしまった自信は、今後の強敵の数に比例する。いろいろな意味で、苦しい幕切れとなった。
(テニスマガジン/ライター◎山口奈緒美)