【高校野球】清宮幸太郎(早稲田実)だけじゃない! 安田尚憲(履正社)、根尾昂(大阪桐蔭)らセンバツ注目野手! (2/2ページ)
■「デカプリオ」こと新たなハーフスター 金成麗生(日大三)
2015年夏の甲子園では関東一のオコエ瑠偉(現・楽天)が一塁強襲二塁打、ファインプレー、決勝ホームランと大活躍。日本とナイジェリアのハーフというキャラクターでも注目を集め、一気にその名を全国に広めた。
今、センバツにも新たなハーフのスター候補がいる。アメリカ人の父を持つ日大三の金成麗生だ。ハーフで端正な顔立ちから「デカプリオ」の愛称を持ち、日大三打線の中軸を担う。
持ち味は何といっても背筋力300キロという驚異のパワーから生まれるパンチ力。バットの芯でとらえたときの飛距離は高校生離れしている。また手足が長いため、左中間方向に打ち返すこともできる。
まだ確実性に課題はあるが、伸びしろは十分。今センバツで「デカプリオ」の愛称を全国に広められるか。
金成麗生(日大三)
左投左打/193センチ101キロ/一塁手
■サイクルヒットを狙う三拍子揃った好打者 西浦颯大(明徳義塾)
明徳義塾の西浦颯大は走攻守の三拍子が揃った好打者だ。今センバツは清宮、安田らパワーヒッターが話題を集めているが、走攻守全ての面で高いレベルにある西浦にも注目したい。
高校通算23本塁打の長打力に加え、背筋力225キロの筋力を生かしてインパクトの瞬間に強く叩ける打撃、50メートル走5秒9の俊足、そして強肩。全てにセンスを感じさせる。
昨夏の甲子園では、2008年の横浜の筒香嘉智(現・DeNA)以来となる「2年生による甲子園での満塁本塁打」を放つなど、大舞台での勝負強さも光る。
センバツでの個人目標は「サイクルヒット」と話す西浦。持ち前の勝負強さを発揮できれば、サイクルヒット達成も夢ではない。
西浦颯大(明徳義塾)
右投左打/178センチ70キロ/外野手
■大阪桐蔭が誇る二刀流2年生・根尾昂
2年生ながらドラフト候補の3年生野手と遜色ない輝きを放つ「二刀流」がいる。大阪桐蔭の根尾昂だ。
昨秋は背番号9を背負っての外野手登録だったが、投手としても躍動。大阪府大会準々決勝の北野戦では公式戦初先発ながら7回2安打無失点の完封勝利。ストレートの最速は144キロを計測した。
最速はすでに148キロを計測。順調にいけば今年中に150キロをマークしそうな勢いだ。
また打者としては、初めて4番に抜てきされた近畿大会準々決勝の智辯学園戦でバックスクリーン右へ本塁打を放った。スローイングを含めた外野守備も超高校級。その上、遊撃でも起用されるなど器用さも飛び抜けている。
なお、根尾は中学時代に全中スキー大会(回転)で優勝し、海外の大会にも出場した異色の経歴の持ち主。スキーで鍛えた体幹と身体バランスが、投打の好結果につながっている。
大阪桐蔭が誇る二刀流の大暴れに期待したい!
根尾昂(大阪桐蔭)
右投左打/177センチ75キロ/外野手・遊撃手・投手
ほかにも昨春のセンバツで4番に座り、智辯学園の甲子園初優勝に大きく貢献した福元悠真、1年時から4番に座る早稲田実の野村大樹ら注目の打者がセンバツに出場する。
清宮、安田の東西の怪物に注目がいきがちだが、新たな怪物の誕生にも期待したい。
文=山岸健人(やまぎし・けんと)