「ほめの達人」に聞いた! 後輩を伸ばす上手なほめ方

フレッシャーズ

みなさんは普段上手な「ほめ方」ができているでしょうか? 「人はほめて育てよう」なんて言われます。それはわかっているけどなかなかできない、という人もいるのでしょう。そこで今回は、ほめる達人に「ほめることの効能」「ほめる技術」について取材しました。上手なほめ方を知って、後輩のモチベーションアップにつなげましょう!
今回は、『一般社団法人 日本ほめる達人協会』専務理事の松本秀男さんにお話を伺いました。


■ほめることの意義と効果とは!?

――「ほめる」ことにはどのような効果がありますか?

松本さん 人というのは、他人と接したときにネガティブな面を捉えがちです。それは生存のためには「不安材料」を発見しないといけないからで、「危害を加えられないか」とか、「こういう点を注意しないと」など認識しておかないといけないからです。

それは野生の生活を送っている場合は大変有効なのですが、私たちは人間同士のコミュニティーの中、社会の中で生きているわけですから、そういったマイナス面ばかりを認識していると、どんどんギスギスしてきますね。

「ほめる」ことで、そのようにならなくできます。ほめるという行為には単に相手を賞賛するだけではなく、

・相手を承認すること
・相手を応援すること

という意味があります。そして、相手を承認・応援することができれば、それは最終的には自分に戻ってきます。他人を承認できるということは、自分も承認できるということです。相手を認めることができる人は、自分を認めることができる人なのです。

――なるほど。

松本さん 私たち『日本ほめる達人協会』では、
「ほめるとは、人・物・起きる出来事、この3つの価値を発見して伝えてあげること」
と定義しています。ほめる達人とは「価値を発見する達人」のことです。

■「ほめる効果」が出た実例も

――企業でも「ほめて人材を育てよう」という動きになっているようですが。

松本さん そうですね。企業も変わろうとしていらっしゃいますね。実は『ほめ達』協会でも企業の研修で呼ばれることが非常に増えております。例えば、NTTグループさんが「24万人の社員にほめる文化を取り入れたい」といった動きをされていたりだとか。これは新聞で報道されていましたね。

要は、企業がこれから成長していく上で、一番大事な人材をいかに育てていくのか、そのためには「人をほめる・認めること」が大事なのではないか、という時代になってきたということだと思います。

――ほめることの効果が表れた実例はあるのでしょうか?

松本さん ある公益企業の1,000人の従業員の方たちを対象に、同志社大学の太田肇教授と行った共同研究があります。

●「ほめる・認める」ことの効能を試した実験

管理職(上司)を、

1.ほめる・認める研修を行い、実践してもらう
2.何もしない

の2つのグループに分けた。
半年後に、1・2のグループの部下に内発的モチベーションの調査をしたところ、
1のグループの部下の内発的モチベーションは、2のグループの部下と比べて有意に向上した。
※この実験は『承認とモチベーション』著・太田肇(同文館出版)に紹介されています。

――そんな実験があるんですね。

松本さん さらに興味深いのは、2のグループを「35歳以上の部下」「35歳未満の部下」に分けてデータを調べた結果です。この2つを比べてみると、「35歳未満」での内発的モチベーションの下がり幅がより大きいものだったのです。

つまり、若い世代のみなさんには「ほめる・認める」ということがとても大事で、それがないと年配のみなさんと比べて、モチベーションは大きく下がってしまう、ということです。

――それはたしかに興味深い結果ですね。

松本さん 現在では、離職率が問題になっていますが、やはり人材を育てるためにはどうしたらいいのか、が改めて問われているのでしょう。「ほめる・認める」ことが注目されているのは、企業がこれまでと違った取り組みをされているためだと思います。

このほかにも、ほめ達の研修を行っている中小企業では「3年間離職者がゼロを続けている」「ほめる文化で会社が活性化し売上が2年半で約130%になった」という例も聞いています。

■成果ではなくプロセスをほめましょう!

――社会人以外、例えば大学生のみなさんでも、サークルやゼミなどで後輩の育成に悩んでいるという人が少なくないようです。先生からアドバイスをいただけますか?

松本さん 私は大学生のみなさんの前で講演を行う機会も多いのですが、そのような際には、
若い間は粗削りで、うまく大人の対応をできなかったりしますね。「人間と人間というのは絶望的に違う」という認識を持った方がいいですよ
というアドバイスをします。「相手が自分の期待することをやってくれない」といったことで自分が傷ついたりするのはもったいないですね。相手は相手のペースで動いているだけで、そこに他意はないわけです。「違うからこそいいんだ」と考えるといいでしょう。

――後輩を伸ばすほめ方のコツはありますか?

松本さん ほめて、認めて、アドバイスをすることですね。成果をほめるのではなく「プロセス」をほめるようにしましょう。できてからほめるのでは、なかなかタイミングがなかったりしますから、小さな階段、その1段ずつを上ろうとしている姿をほめてあげるようにするのがいいですね。本当にちょっとでもうまくいったらほめてあげることです。

――ありがとうございました。

後輩を伸ばす上手なほめ方のコツをお聞きしました。「ほめることは価値を見いだすこと」「人をほめることは自分に戻ってくる」という言葉は非常に重要なポイントではないでしょうか。松本さんは「ほめられるところがない人はいないんです。ほめるところを見つけられない人がいるだけです」とおっしゃっていました。あなたも周りの人を積極的にほめるようにしませんか?

松本秀男プロフィール

『一般社団法人 日本ほめる達人協会』専務理事。歌手さだまさし氏の制作マネジャーとしてその活動を8年間サポート。その後、外資最大手の保険会社のトップ営業、伝説のトレーナー、本社・経営企画部門での活躍を経て、ほめる達人に。講演や企業研修、「ほめ達!検定」で奔走中。著書『ほめる人ほど、なぜ、出世が早い?』はビジネス本として紀伊国屋書店などで1位を記録。

⇒『ほめる人ほど、なぜ、出世が早い?』著・松本秀男(三笠書房)
https://goo.gl/QqRnO7

⇒『一般社団法人 日本ほめる達人協会』公式サイト
http://www.hometatsu.jp/

(高橋モータース@dcp)

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