時の鐘は有料です(キリッ! 時計を持っていない江戸時代の人はどんな方法で時間を知ったの?

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時の鐘は有料です(キリッ! 時計を持っていない江戸時代の人はどんな方法で時間を知ったの?

腕時計をしなくてもスマホがあれば、いつでも時間を知ることができる現代。江戸時代にも、時計はありましたが、高級なもので、とても一般庶民に買えるものではありませんでした。

時計を持っていなくてもノープロブレム

じゃあどうやって時間を知ったのかというと、「時の鐘」です。時刻を知らせる時の鐘が、江戸の町のみんなに時間を知らせていたのですね。最初に設置されたのは、寛永3年(1626)で、場所は日本橋本石町。江戸最初の町人の町と言われています。

「日本橋」歌川広重

この鐘は、起床・就寝の時間を知らせてくれるのですが、時刻と関係のない鐘(捨て鐘)を、注意をひくために3回鳴らします。その後、それぞれの時刻分だけ鐘を撞いたそう。9つのときは、3回の捨て鐘の後、9回鳴らすわけですが、この鐘は無料ではないというからビックリ!

鐘の音が聞こえる町の家はすべて、1ヶ月につき4文、年間48文を鐘代として徴収されるそう。鐘のすぐ近くにある家はよく音が聞こえるけど、遠いところにある家だと、音が若干遠くなるはず。それでも、鐘代は同じだから、不満があった家もあるかもしれませんね。

次ページ:江戸時代は何時何分という呼び方をしていなかった。

時間の呼び方は?

ちなみに、江戸時代の人々は、何時何分という呼び方をしていなかったとか。例えば、12支で呼ぶ方法もあり、1日を12等分して、12支の動物の名前を当てて呼ぶのです。午後11時から午前1時までは、12支の「子」を当てて「子の刻」。そして、「丑(うし)の刻」「寅の刻」「卯の刻」「辰の刻」「巳の刻」「午(うま)の刻」「未(ひつじ)の刻」「申(さる)の刻」「酉(とり)の刻」「戌の刻」というように。

つまり、それぞれの刻が2時間あるわけで、例えば待ち合わせ時間を決めても、來る時間が2時間ずれる可能性だってあるわけです。午前11時に来る人も午後1時にくる人も、同じ時間にきたことは間違いないので、またされた!と怒ることもありません。今となれば、そんなこと考えられないですよね。

とはいえ、携帯が普及する前の頃を思い出すと、案外そんなこともあったかもと思いませんか?待ち合わせ相手がなかなか来ないときは、相手の自宅に電話してお母さんに聞いたりということだってよくあることでした。連絡がとれたらまだいい方ですが、どこにいるかわからず、待ち合わせ場所で待っていたら、気が付いたら1時間経っていたなんてことは、私たちの生活にもあったのです。

川越市「時の鐘」

そう考えると、江戸時代の人々も、不便に感じることはなかったのかもしれません。時計を持っていなくたって、時の鐘が時間を教えてくれるし、火の出や日没などを通して、自然と何時頃か知ることができたのでしょう。江戸時代の人々のように自然と時間の感覚が身についたら、時間に追われることもないのかも?

画像出典:photoACJapanese Art Open Database

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