出会いの人気スポットは神社!?ナンパだってあった江戸時代の自由恋愛事情
江戸時代の武家社会は、恋愛は自由にはできませんでしたが、庶民にとっては恋愛は自由なもの。身分が下がるほど、自由だったのです。では、庶民はどんな場で出会いがあったと思いますか?
庶民男女の定番の出会いスポットといえばそれは、神社参りです。神社の境内は、当時の出会いスポットでした。といっても、お気に入りの男性に女性からはアプローチしてはいけません。男性から恋文が届くのを、待っているのです。男性が直接意中の女性に手紙を渡すのが一般的で、女性の着物の袂(たもと)に恋文を入れ、人前で開けてはいけませんよとそっとささやくのだとか。時には、使いが届けたりお店の女将や女中が仲立ちすることもあったようです。
「神田明神 江戸名所図会」歌川広重
そして、手紙をもらったからには、女性からのお返事も必須です。字が汚いと、それだけで知性がないとうことに。字が美しいことは容姿よりも大事と言われ、内容は知性を映すと言われていたそう。恋文の書き方のハウツー本で学んだり、代筆をお願いすることもあったとか。気持ちを込めた手紙は、下女に託するのが一般的だったようです。恋愛のハウツー本があるのは、今も昔も変わらないのですね。
江戸時代だってナンパがありました今も昔も変わらないといえば、お祭りのときになると開放的な気分になるのもそうです。お祭りや夕涼みのときに、男性が女性のお尻をちょっとつねるのが、当時のナンパの合図。今の時代にそれをやったら大変ですが、なんせ江戸時代はおおらか。お尻をつねられて「あらいいオトコだね」と思ったら、そこから恋が始まるのです。とはいえ、箱入り娘の場合は、変な虫がよりつかないように、下女や手代(商家の若い男性の使用人)ががっちりとガード。
「江戸自慢三十六興 芝神明生姜市」歌川国貞
デートスポットはどんなところ?
恋が始まると、デートはやはり神社の境内。そこでおしゃべりを楽しんだ後は、夏は夕済み、冬はどちらかの家でのんびりと。大人同士のの恋愛ならば、出合茶屋でイチャイチャするカップルも。今でいうラブホテルですね。ただ料金は少しお高めで、料理を含めて1文(1万2千円)くらいだったので、ある程度お金を持っている人しか出合茶屋には行けませんでした。
また、当時は混浴の銭湯もまだ残っていたので、格好のデートスポットだったようです。貸し切り風呂でなく、ほかのお客さんもいる中で、イチャイチャできるなんて、大胆というか自由奔放というか。
デートスポットは限られているとしても、恋愛自体を楽しんでいる人が多い江戸時代。誘い上手な男性、誘われ上手な女性は、今の時代より格段に多かったのかもしれませんね。
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