溜まった疲れを癒すには? アロマテラピーインストラクターに聞く、簡単なアロマの始め方

不安に押しつぶされそうになる就活・転職の面接や、慌ただしい新社会人生活では、いかにしてリラックスして疲れを癒す時間をつくるかが重要になってきます。ただアレコレ道具をそろえたり、手間のかかるリラックス法はなかなか手が出せません。そんなときにおすすめなのが、香りを用いてリラックスする方法、いわゆる「アロマテラピー」です。今回は、初心者でもアロマテラピーを楽しみ、疲れを癒す方法をご紹介します。
■初心者はまずはベーシックな香りからチョイス
今回お話を伺ったのは、『公益社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ)』の青江智子さんと山岡睦さんです。日本アロマ環境協会は、アロマテラピーの普及・調査・研究などの活動を行っているアロマテラピー関連で唯一の公益法人。青江さんはAEAJ認定アロマテラピーインストラクターの、そして山岡さんはAEAJ認定アロマテラピーアドバイザーの資格を持っていらっしゃいます。
――そもそもアロマテラピーはどういったものなのですか?
青江さん アロマテラピーは、植物から抽出した精油を使って、心身のトラブルを穏やかに回復させたり、健康の維持や美容といったことにも役立てていこうという自然療法です。植物が持っている香りの力を取り入れる自然療法なので、100%天然素材の精油を使うことが前提となっています。
――アロマテラピーはどうしてもハードルが高いイメージがあるのですが、何も知らない初心者でも、気軽に楽しめるものなのでしょうか?
山岡さん もちろんです。よく「アロマディフューザーがいるのでは?」という人もいますが、精油さえあれば、手軽に日常に取り入れることができますよ。
――その「精油選び」ですが、初心者は何をチョイスすればいいですか?
青江さん 大事なのは「好きな香り」の精油を選ぶことです。香りによってさまざまな効果がありますが、まずは効果よりも好きな香りを楽しんでリラックスすることが一番ですね。
山岡さん お店に行って数多くある中からお気に入りの香りの精油を見つけるのも楽しいですよ。
――確かに効果だけを考えて好みでない香りを用いるよりも、好きな香りを楽しむ方がいいですね。
青江さん もし「選べない!」という場合は、
●ラベンダー
鎮静作用があり、緊張した心と体をリラックスさせます
●ペパーミント
優れたリフレッシュ効果を持ち、鼻や喉の調子を整える作用もあります
●オレンジ・スイート
ストレスからくるイライラや、神経の緊張を緩める効果があります
この3種類の中から選ぶといいでしょう。
山岡さん これらは代表的な精油で、値段も手ごろなのでおすすめです。入門用としてちょうどいい3mlの小さな瓶でも売られています。
■手軽にアロマを日常に取り入れて疲れを癒そう
――「精油さえあれば、手軽にアロマを日常に取り入れられる」ということでしたが、初心者でも手軽に楽しめる方法はどんなものがありますか?
青江さん 最も簡単なのは芳香浴と呼ばれるものです。ディフューザーがなくても、例えばティッシュペーパーに精油を1-2滴垂らして机の上などに置いておくだけで、香りが周囲に広がります。
山岡さん ディフューザーがなくても、こうした即席ディフューザーで楽しめますよ。ハンカチを使うのもいいです。
――ティッシュペーパーと精油があれば楽しめるのは手軽でいいですね。
青江さん 精油さえあれば身近なものを使って楽しめるのがアロマテラピーです。他にも、マグカップにお湯を入れてそこに精油を数滴垂らし、立ち上る香りを吸入する「蒸気吸入」も手軽でおすすめです。ただし、そのお湯を飲んでしまわないように注意です。
――バスタイムでも使えそうです。
山岡さん そうですね。浴槽のお湯に精油を垂らして沐浴(もくよく)を楽しむのもいいでしょう。シャワーだけの場合も、足元のシャワーのお湯が当たる部分に精油を垂らしておけば、香りが立ち上りますよ。
■シーンに合わせて香りを楽しもう!
――アロマテラピーは道具がなくても手軽に楽しめることがわかりましたが、就活に挑む大学生や社会に出たばかりの新社会人におすすめの疲れを癒す香りはありますか?
青江さん まずは「レモン」です。レモンの香りは「緊張」を和らげる効果があるという実験結果が出ているので、例えば面接に行く前にレモンの香りを楽しむと、少しでもリラックスできるかもしれません。
山岡さん あとはイライラしてしまうなど「心理的ストレス」には、「ヒノキ」の香りがいいですね。新社会人だとストレスもあるでしょうから、おすすめです。
――ヒノキ風呂のあの何ともいえない香りは日本人の心にも響くものですから、この香りが好きな人も多そうです。
山岡さん 同じくストレスに関するものだと、「スイートマージョラム」という植物の香りが挙げられます。スイートマージョラムの香りは、ストレスによって低下した免疫力の回復効果があるという実験結果も出ています。
――マージョラムといえば料理にも使う香草ですが、そんなすごい働きがあったのですね!
青江さん 身近な香りだと、「ユズ」もおすすめです。ユズの香りはストレスの減少だけでなく、疲労の低下や活気の上昇といった効果があります。例えばお風呂のお湯にユズの精油を用いるなどするといいでしょう。
――即席ユズ風呂といったところですね。日常のシーンに合わせて精油を使い分ければ、すごく楽しそうです。
青江さん 最初は何を選べばいいか分からないかもしれませんから、代表的な3種から始めてみて、慣れてきたら他の精油を調べて幅を広げていくといいですよ。
――ありがとうございました!
アロマを使って疲れを癒す方法をお伺いしました。今回伺ったお話をまとめると……
<アロマテラピーでできる疲れの癒し方>
1.初めての精油は「好きな香り」を選ぼう
2.選べないならラベンダー、ペパーミント、オレンジ・スイートの中からチョイス
3.まずはティッシュを使って手軽に芳香浴
4.次にマグカップなど身近なものを使ってさまざまな楽しみ方をする
5.慣れてきたらシーンに合わせていろんな精油をそろえてみよう
このようになりました。
アロマテラピーは決して難しいものではなく、誰でも手軽に始められるものだとわかりました。読者のみなさんの中で、ストレスや疲れがたまっていたり、イライラが多いという場合は、香りでリラックスしてみてはいかがですか?
ただし、精油の中には取り扱いに注意しないといけないものもあります。手軽・気軽に楽しめるものではありますが、正しい知識と使い方だけはおろそかにしないように注意が必要ですね!
取材協力:公益社団法人日本アロマ環境協会
⇒http://www.aromakankyo.or.jp/
(中田ボンベ@dcp)