アンデス山脈とは関係なし!(キリッ 日本生まれ「アンデスメロン」の名前の由来
お手頃メロンの王様
スーパーなどの店頭には、初夏頃から様々な種類のメロンが並びます。メロンと言えば、以前は「高級な果物」の代表的な存在でした。
マスクメロンやプリンスメロンなどの品種は、栽培が難しく、しかも良い実を付けさせるために1株から1つしか実が取れません。このため、一般の消費者にはなかなか手の届かない、高価な果物だったのです。
その後、手頃な価格なのに高品質な「大衆メロン」と呼ぶべき品種が開発されるようになりました。
その1つが「アンデスメロン」です。
「アンデスメロン」という名前ではありますが、このメロン、実は日本生まれです。
昭和52年、マスクメロンとコサックメロン、ハネデューメロンなどの品種を交配させた新品種として、現在のサカタのタネ(坂田種苗)より発表されました。
お手頃価格でありながら、1kg〜1.3kgと大玉で、実の表面にはマスクメロンと同じような「ネット」と呼ばれる網目がかかっているのが特徴です。それまで「大衆メロン」と言えば、網目のない「プリンスメロン」が主流でしたが、それよりも更に早い3月頃から収穫できるということもあり、アンデスメロンはあっという間に「大衆メロンNo.1」となりました。
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生まれは日本!でも「アンデス」と名付けられた理由は?それにしても気になるのは、このメロンの名前です。「アンデス」と付くからには、南米の「アンデス山脈」に由来するのかな?と気になります。
実は「アンデスメロン」は、「アンデス山脈」とは全くの無関係です。
アンデスメロンは、高級メロンに比べて栽培しやすく、また「つる割れ病」「うどんこ病」などの病害に弱かった初期のプリンスメロンなどより病気に強い品種であること、そのため沢山穫れて手頃な価格で流通できるメロンです。
そこから「農家は安心して作れて、消費者は安心して買えるメロン」ということで、「安心ですメロン」と名付けられたのでした。
しかし、これではあまりにもネーミングセンスがないのでは?という声が上がったため、「アンシンデスメロン」を略して「アンデスメロン」となりました。
画像出典:ぱくたそ
ちなみに「サカタのタネ」によると、メロンは芯を取って食べることから「アンシンデスメロン」の「シン」を取って「アンデスメロン」と名付けたとのことです。
メロンを食べる時には、名前の由来にも注目してみると面白いかも知れませんね。
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