“寝る前のスマホ”と“スマホ育児”が子どもの疾患リスクを高める?【医師解説】
近年、爆発的に普及したスマートフォン。今や、大人から子どもまで、なくてはならない必須アイテムとなりました。
「スマホ依存症」「スマホ育児」という言葉も生まれ、その依存性の高さもメディアにも取り上げられる程です。
しかし、夜間のスマホ使用が、生まれてくる自分の赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があるとしたら、あなたはどうしますか?
寝る前にベッドでスマホを見ている人は多いと思いますが、今回は夜間のスマホやタブレットなどの電子機器使用のリスクと、それに伴うスマホ育児のリスクについて、最新研究報告と共に医師に詳しく解説して頂きました。
アメリカで行われた研究

2017年にアメリカで発表された研究では、オスとメスのハムスターを、夜に暗くするグループと夜に光を浴びるグループに分け、それぞれのグループのオス・メスの間に生まれたハムスターを調べたところ、夜に光を浴びるグループのハムスターの子は免疫機能・内分泌系に影響が見られ、病弱になっていた、とあります。
つまり、
光を浴びた本人だけでなく、その子供にも影響が及ぶ可能性があると分ったのです。
他の専門家、夜間に光を浴びることは、体内時計が崩れ、発がん、心疾患、うつ病のリスクが増加すると既に警告もしておりました。
《参照》
THE Sun
昼と夜でスマホから受ける影響が違う理由

地球上の動植物は太陽の光に合わせて活動したり休んだりしていますが、このリズムを決めている時計遺伝子と呼ばれる遺伝子があります。
ブルーライトと呼ばれる波長の光が当たると、目の網膜にある神経節細胞の中のメラノプシンというタンパク質が働き、その信号が脳の視床下部や松果体に伝えられます。
これらの部位は時計中枢と呼ばれ、時計遺伝子が光の量に応じて活動を変えることでリズムを作り出しています。
人間は、朝に日光を浴びることで活動を高め、夜は休眠するような体内時計を持っていますが、夜にブルーライトを浴びると、時計中枢が今は昼間だと勘違いして体内時計を狂わせてしまうのです。
スマホを夜間に使用すると懸念される疾患

短期的には時差ぼけのような症状が起きますが、長期的に体内時計が狂い続けると、自律神経のバランスが乱れ、以下のような多くの病気になりやすくなります。
・心臓や血管の病気
・がん
・ 糖尿病
・ 肥満
・ 高血圧
・ 不眠
・ うつ病
スマホ育児が増えた背景

スマホ育児とは?
育児中の親がスマホに熱中することで、子どもとのコミュニケーションが減ったり、子どもをあやすために子どもにスマホを見せることを「スマホ育児」と言うようです。背景には、もちろんスマホの爆発的普及があります。
増えた背景1:核家族化
子どもの数が減り、核家族化が進み、近所づきあいもしにくくなり、子育て経験のない親が一人きりで育児をしないといけないことから、ちょっとした疑問を誰にも聞くことができないという孤独な状況に陥りがちです。
そんな中、疑問や不安をスマホで解消しようとすることも、親のスマホ依存を生み出していると背景と考えられます。
増えた背景2:公共機関対策
子どもにスマホを見せることについては、公共交通機関内などで、子どもが騒ぐと非難を受けるのではという恐れから、静かにさせるためにスマホを使って子守りをせざるを得ないということも関係しているかもしれません。
スマホ育児のリスク

育児放棄
親がスマホに熱中し、子どもと目を合わせたり話しかける時間が減ることで、育児放棄が起こる可能性もあります。
サイレントベビー
子どもが親とのコミュニケーションをあきらめてサイレントベビーにつながることが考えられます。
身体機能の低下や発達の遅れ
低年齢のうちからスマホを日常的に見ることで、視力低下や体力低下、言葉や精神の発達が遅れるリスクも考えられます。
医学的に見たスマホ育児

スマホ育児でママが助かることに、子どもが動画やゲームに熱中することで、騒がずに過ごしてくれ、家事が進んだりお母さんが休養を取れたりといったメリットがあります。
しかし、 日本小児科学会は、「スマホに子守りをさせないで」「見直しましょうメディア漬け」として、スマホやテレビ・ビデオに頼りすぎないように、以下のような具体的な提言をしています。
具体的提言
1. 2歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう。
2. 授乳中、食事中のテレビ・ビデオの視聴は止めましょう。
3. すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。 1日2時間までを目安と考えます。 テレビゲームは1日30分までを目安と考えます。
4. 子ども部屋には テレビ、ビデオ、パーソナルコンピューターを置かないようにしましょう。
5. 保護者と子どもで メディアを上手に利用するルールをつくりましょう。
※(引用:日本小児科学会 「子どもとメディア」の問題に対する提言の全文) 最後に医師から一言

パソコンやスマホ、タブレットを使用せずに現代人が生活することは不可能ですが、夜間はブルーライトを浴びないように画面の設定を変えたり、ブルーライトカットのメガネを使用するなどの工夫が望ましいと思われます。
(監修:Doctors Me 医師)