世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第216回 プライマリーバランスという呪縛 (3/3ページ)
OECDの最新レポート『USING THE FISCAL LEVERS TO ESCAPE THE LOW-GROWTH TRAP(低成長の罠を逃れるために、財政の梃子を利用する)』によると、先進7カ国の中で、最も財政余力があるのは日本だ(しかも、圧倒的である)。日本は対GDP比で2%超、つまりは10兆円の財政拡大をしても財政は悪化しないと見込まれている。国債金利が主要国最低で、政府の負債が100%日本円建てであるのに加え、日本銀行が量的緩和を継続し、政府の実質的負債が「消滅」している以上、当然の結論だ。
それにもかかわらず、安倍政権は相も変わらずPB目標に固執し、デフレを継続させる緊縮財政から方向転換することができない。まさに、PBの呪縛だ。
今年の6月にも、例により「骨太の方針」がアップデートされる。このとき、政府の財政指標を最凶最悪の経済指標であるPBから、「グローバル基準」である政府の負債対GDP比率の改善に変更できるか、否か。
日本経済の行く末は、すべてその「一点」にかかっているのである。
みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。