オウム病で2人目の妊婦死亡例が報告 妊娠中の感染リスクを医師が解説
2017年4月10日(月)鳥などから感染する
オウム病によって、新たに1人の妊婦の死亡が確認されたことが厚生労働省によって明らかとなりました。(
参考)
3月7日に国内初のオウム病による死者が出ていたことが報告されておりましたが、いったいオウム病とはどのような感染症なのでしょうか?
今回はオウム病の概要、感染経路、症状や妊婦が感染した場合の危険性、予防対策などを医師に解説していただきました。
オウム病とは

鳥の病気である鳥クラミジア症の原因、クラミジア・シッタシという細菌が人間に感染しておこる病気です。
オウム病の原因・感染経路・潜伏期間

原因細菌であるクラミジア・シッタシは、性感染症で知られる クラミジア・トラコマチスの仲間ですが、性感染症の クラミジアに感染していてもオウム病になることはありません。
感染経路
オウムだけではなく、以下のような鳥からも感染することがあります。
■ ペット
オウム、インコ、九官鳥、ジュウシマツなど
■ 家畜
アヒル、ニワトリ、七面鳥など
■ 野鳥
ハト、カモメなど
菌を持っていても一見元気なこともありますが、ストレスがかかったり病気になった時、もしくは卵を産んだり雛を育てる時期に糞便中に菌を排出します。
また、口移しに鳥にエサをやったり、噛まれて感染することもあるとされています。
潜伏期間
1~2週間とされています。 オウム病は人から人へ感染する?非常にまれと考えられますが、未治療で 咳の症状が強い場合は人から人に感染する可能性もあるとされています。 オウム病の症状

初期症状
・寒気
・ 発熱
・ 頭痛
・ 筋肉痛
・ 咳など
風邪や インフルエンザに似た症状が現れます。
中期
肺炎にかかり、以下のような全身に炎症が及ぶこともあります。
・ 心内膜炎
・関節炎
・肝炎
・ 脳炎など
末期(重症)
重症の肺炎となり、 敗血症や呼吸困難から死亡することもあります。 妊婦がオウム病に感染した場合の危険性

妊婦が感染すると妊婦オウム病と呼ばれ、以下のような症状を起こす危険があります。
・肺炎
・肝炎
・敗血症
・胎盤機能の低下
・ 流産
・早産
また、胎児死亡や母体死亡を起こすこともあるとされています 。 妊婦以外でオウム病に感染すると危険なタイプ

高齢者は死亡例があり、小児の重症例は少ないとされています。
また、 糖尿病などの持病があったり、免疫系に異常がある場合は特に注意が必要です。 オウム病の検査、治療

検査内容
肺のレントゲンやCTといった画像検査や血液検査を行います。
のどを綿棒でぬぐった液、痰、血液から、クラミジア・シッタシ菌本体や、菌の遺伝子、抗体を検出します。
治療内容
抗生物質を内服したり点滴します。呼吸困難が強い時は人工呼吸器を使用することがあります。
使用される薬
テトラサイクリン系、マクロライド系、ニューキノロン系などの抗生物質が使用されます。
完治までの治療期間
2週間以上は抗生剤の治療を続けます。 オウム病の予防対策

■ ペットとして鳥を飼っている場合、鳥が弱っているようなら早めに獣医師に相談し、鳥を抗生物質で治療することが人のオウム病予防につながる
■ 妊娠中は糞の処理は家族に任せ、口移しにエサをやるといった濃厚な接触は避けるようにする
■ ハトなどの野鳥にエサをやるなどの接触は控えるようにし、特に死んだ鳥がいる場合には注意する 最後に医師から一言

オウム病は人と動物の両方に感染する人獣共通感染症の一つです。
対策を知り、特に妊娠中には注意しましょう。
(監修:Doctors Me 医師)