教え方を学んでいますか? 本当に成長するビジネスパーソンの育て方 (2/3ページ)
すると、この自分の考えを持ったリーダーは育ちにくくなります。本当に強い組織では、仕組みを壊し、再構築する仕事をリーダー候補に与えていたりします。
――組織の成員が何を目的として働くかというときに、「上司からの評価」は視野に入ってくると思います。ただ、そうなるとリーダー考えの影響を受けて、自分の考えを持てなくなってしまうことはないでしょうか?安澤:良いポイントですね。人は身近なリーダーの影響を受けるものです。どんなに素晴らしい経営者のいる組織でも、社員の考えは身近なリーダーの影響を色濃く受けています。だから、「リーダー教育」が必要なんですね。
つまり、リーダーとしての期待をかけている人には、教え方を教えるということが必須になります。そうしないと、自分と違う考え方があってもそれを許容できないリーダーになってしまう。逆に、「自主性」という言葉を旗印にして、スタッフに手をかけないリーダーの元で、スタッフが全く育っていないという組織も存在します。
――「教え方を教える」というのはとても難しいことです。教え方を教える際に気を付けることはありますか?安澤:人間は経験から学び、成功をすれば「正しい」と思うでしょう。しかし、環境が変われば「正しい」ことも変わります。だから「チーム環境や教える相手が変われば、正しい教え方も変わる」ということが最も重要な原則になります。
リーダーとなる人が「自分がこうして育てられて成長できた」ということに囚われないようにすることですね。自分の立場が変わっても教え方は変えていくべきです。
――逆に経験に囚われたままだと、精度も生産性も落ちていくわけですね。安澤:そうです。本人が経験から脱しないと、教えた時間は無駄になってしまいます。
――今のお話は本書で言うところの「シングルループ」と「ダブルループ」のお話だと思います。限られた経験に頼って応用が効かなくなる「シングルループ」の外側に、経験を法則化し、その法則を新しい環境で検証し、進化をさせていく「ダブルループ」を回そうという提言は、まさに教える側、指導する側にとって必要な考え方だと思います。安澤:そういう意味では、本書は新任管理職に読んでほしいです。