世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第217回 グローバリズムのトリニティ(前編) (3/3ページ)
医療はもちろん「医療亡国にならないために先端医療の保険適用はしない」というレトリックで混合診療(患者申出療養)を推進。高額な自由診療が増え、医療までもが「ビジネス」と化していく。
公共インフラの整備も、PFI等「民間活力の導入」とのスローガンの下で、民間の投資家や企業のビジネスチャンスを提供する。
もっとも、これらのスキームを推進するためには、
「政府は国の借金で破綻する」
という財政破綻論が不可欠だ。財政に余裕があるならば公共サービスは政府が提供すれば済む話で、民間ビジネスの出番はない。
財政破綻論に基づく緊縮財政こそが、レント・シーカー(政治が生み出す利権を追い求める人)たちにビジネスチャンスを提供する根幹中の根幹なのだ。実際には、日本に財政危機などない。とはいえ、その事実が国民に知られると、公共サービスの民営化というビジネスは不可能になってしまう。だからこそ、日本のマスコミから財政破綻論は消えない。
デフレ脱却を目指すのはもちろん、レント・シーカーたちのレトリックをつぶすためにも、わが国は緊縮財政を「グローバリズムのトリニティ」として認識し、財政破綻論を打破しなければならないのだ。
さもなければ、わが国は公共サービスを食い物にされ、国民が損をすると同時に、外国からの移民流入も続き、四半世紀後には「かつて日本国と呼ばれた、別の国」と化してしまっていることだろう。
みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。