まるで薄紫のカーテン!藤の花の季節が到来、都内の藤の名所「亀戸天神社」

悲劇の「道真公」を祀る神社
JR総武線・亀戸駅の北口を出て、歩くこと約15分。スカイツリーの見える、下町情緒溢れる商店街のはずれに、東京一の藤の名所・亀戸天神社はあります。

亀戸天神社 公式ホームページより
「天神社」と言うだけに、この神社には「学問の神様」として知られる「天満大神(菅原道真公)」と、菅家の祖神である「天菩日命」が祀られています。
菅原道真公は、当時県政を振るっていた藤原氏の讒言によって太宰府に左遷させられ、再び京に帰ることなく亡くなりました。本社である「太宰府天満宮」は、元々はその道真公の祟りを鎮めるために造られた神社でした。
それが時代とともに変化し、幼少時から漢詩や和歌などの才能に恵まれた道真公にあやかり、受験や学業成就をと願う人々から崇敬されるようになっています。
境内には本殿の他に、道真公の学問の師匠を祀る「御嶽神社」、道真公の奥方や子供達を祀る「花園社」、七福神の1つである弁財天を祀る「弁天社」、太宰府天満宮の御神木である梅を社殿前に奉斎したことが起源の「紅梅殿」などもあります。
神社内を彩る藤の花4月の下旬頃になると、この神社の境内一面にはライラック色の藤の花が一斉に咲き始めます。その数は、何と15棚・100株にも上ります。

亀戸天神社の藤の花
その光景は、まるで一面に薄紫のすだれか、カーテンがかかっているように見えます。紫の藤が池に映る風景と、そこにじっと佇む鳥などを見ると、ここが「東京一の藤の名所」と呼ばれているのも思わず納得です。
この神社の藤は、江戸時代から「亀戸の五尺藤」「亀戸の藤浪」などと呼ばれ、5代将軍綱吉公や8代将軍吉宗公も見物に訪れたと伝わる、由緒正しい藤なのです。
毎年4月21日〜5月6日の「藤まつり」の期間には、日没から午前0時までの間、藤のライトアップもされます。夕方〜夜の「夜桜」ならぬ「夜藤」の美しさも、昼間の藤とはまた違って格別でしょう。
藤の他にも、「梅まつり」「菊まつり」など、亀戸天神社では季節の花にちなんだイベントが行われています。
美しい花に心癒されると同時に、悲劇の運命を辿った道真公に、思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
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