ママの9割が実感…抱っこなどの育児による体の負担を改善するコツ

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育児は体力勝負。赤ちゃんのお世話や家事などの多忙な毎日で、なかなか疲れが取れない…というママたちも多いはず。
きっと、ママたちの体は日々悲鳴をあげていることでしょう。

今回はそんなママたちのために、育児による負担で起こる体の痛みについて、部位ごとに原因と改善方法を詳しく医師に解説していただきました。

育児と体への負担に関する調査
3歳までのお子さまがいるママを対象にした「育児と体への負担」について、調査が実施されました。

ママになってからの変化
産後、前かがみの姿勢や重いものをもつことが増えたり、抱っこなどで、ほとんどのママたちが体全体に負担を感じているようです。


さらに、負担を感じる部位別の結果は以下になります。

・1位:腰(89%)
・2位:肩(88%)
・3位:背中(76%)



負担を感じる動作は1日あたりどれくらい?
抱っこと前かがみの動作を1日20分以上行っているママが非常に多く、体に相当の負担がかかっていることがわかります。


最も負担を感じる動作は抱っこ
一番負担を感じる動作で圧倒的に多かったのが、やはり抱っこ。6割近くのママたちが抱っこで、腰にかなりの負担を感じているようです。


負担が大きいことで育児が辛くなってしまう
育児における体への負担は想像以上に大きく、体を壊すママや、育児そのものが辛くなってしまうママは7割超もいました。


※解答者:3歳までのお子さまがいるママ500名
(出典元: Value Press育児による体への負担:腰
主な原因
授乳、おむつ替え、着替え、遊び、入浴など、育児で必要とされる作業には、低い位置で作業するために腰を曲げて前かがみで行うものが多く、上半身を支えるため腰に負担がかかります。

懸念される疾患や症状
放置すると 腰痛急性腰痛症(いわゆるぎっくり腰)、 腰椎椎間板ヘルニア坐骨神経痛などを引き起こすことがあります。

改善方法
■ 上半身をまっすぐにしてしゃがむ
作業によってはどうしても前かがみにならざるを得ない場合もありますが、例えば子どもを抱き上げる時など、できる限り上半身をまっすぐにして、膝を曲げてしゃがむようにします。

■ ストレッチや体操
腰を円を描くようにゆっくり回すなどで、腰回りの筋肉のしなやかさを保ちましょう。

■ 固定ベルト
ドラッグストアで腰痛用の固定ベルトを販売しています。付けることで腰のサポートになりますが、使用しすぎると筋肉が弱るので、痛みがないときは使用せず、痛くなるかも?という程度の段階から使用するようにしましょう。 育児による体への負担:肩
主な原因
抱っこひもで、肩で重みを支えるタイプの製品を長時間使用すると肩に負担がかかります。

また、中空で手を使う作業や、首を前に倒して作業をすると、手や頭の重みが肩にかかり、 肩こりの原因になります。子どもを片手で抱っこすることも負担になっています。

懸念される疾患や症状
肩こりが悪化すると首や背中、頭の痛み( 筋緊張性頭痛)につながったり、 眼精疲労の原因になったりします。 肩関節周囲炎(いわゆる四十肩・五十肩)になることもあります。

改善方法
■ 手の置き場を工夫する
作業をするときは手を中空で固定せず、楽な姿勢が保てるように、台など支えになる場所に置くようにします。

例えば、赤ちゃんを抱いて哺乳瓶で授乳する場合、赤ちゃんを支える方の手は授乳クッションやタオルで支えて力がかからないようにし、また哺乳瓶を持つ方の手も、テーブルや肘掛に置いて、力をかけず楽な姿勢でいられるように工夫します。

■ 肩回し、ストレッチ
肩が凝ったと感じたら、肩をぐるぐる回したり、上や後ろで組むようなストレッチをしてほぐしましょう。

■ 抱っこひも
長時間使用する場合は、腰と肩で重さを支えるようなタイプの製品を使用しましょう。 育児による体への負担:背中
主な原因
前かがみ姿勢や首を曲げた姿勢での作業が背中に負担をかけます。

また、子どもを体の前で抱っこする際に、背中が反るような姿勢になり、背中に負担がかかっています。

懸念される疾患や症状
背中の痛みが慢性化すると、肩や首・腰まで痛みが出ることもあります。

改善方法
■ クッション・座布団・タオル
前かがみで長時間の作業をしなくて良いように環境を整えます。

特に授乳の際、背筋をまっすぐにして行えるように、授乳クッションは十分高さのあるものを使用するか、クッションと座布団・タオルなどを併用しましょう。 育児による体への負担:首
主な原因
前かがみ・うつむいた姿勢での作業や、子どもが首に抱きついて引っ張ることで負担がかかります。

懸念される疾患や症状
頭痛や肩こり、頸椎ヘルニアになる可能性があります。

改善方法
■ ストレッチ
背筋を伸ばして作業し、首をゆっくり回すストレッチを行います。 育児による体への負担:腕
主な原因
抱っこや子どもを持ち上げる作業により負担がかかります。

懸念される疾患や症状
腕や肩の痛みや、 腱鞘炎手根管症候群と呼ばれる状態になることがあります。手根管症候群では、人さし指と中指がしびれ、痛くなって細かいものがつまめなくなります。

改善方法
■ 抱っこよりもおんぶ
抱っこをねだられたら、腰が据わった子ども(およそ6~7カ月以降で、1人で座れる状態)であれば、抱っこよりもおんぶをすることで負担を減らせます。

■ 座った状態で抱っこする
痛みがつらい時は、持ち上げる抱っこではなく、座った状態で引き寄せて抱きしめるようにできると楽です。

■ 腕ではなく体に引き寄せる
腱鞘炎を予防するために、腕で持ち上げるのではなく体に引き寄せるようにすると重さがかかりにくくなります。

■ 手の甲を使う
赤ちゃんを抱っこするときに、いつも手のひらを赤ちゃんに付けるばかりではなく、時には手のひらを返しましょう。

手の甲を赤ちゃんに付け、手のひらを正面に見せるようにする時も作ると、特定の筋肉だけを酷使することを避けることができます。 育児による体への負担:膝、脚
主な原因
膝立ちや床に座る姿勢が増えると負担がかかります。

懸念される疾患や症状
膝の痛みや 靭帯損傷が考えられます。

改善方法
■ クッション・座布団
座る時は床に直接ではなくクッションや座布団を使います。

■ ストレッチ
足首を回したり、ふくらはぎや太ももの筋肉を鍛えるストレッチをすることで、関節の負担を減らします。 抱っこやおんぶの負担を軽くするコツ
抱っこ
体重3kgの新生児であっても、長時間素手で抱っこするのは大変です。成長の過程に応じて、家庭内でも抱っこひもを使用し、重みを肩と腰で分散し、左右対称にかけることで負担を減らしましょう。

おんぶ
できるだけ高い位置で(子どもが親の肩越しに前をのぞきこめる程度)子どもを保持でき、親子の体が密着するようなおんぶ紐を選びましょう。

最後に医師から一言
育児は親の体が不調でも休むことが難しく、病院通院・整骨院やマッサージへの通所をしたくても、子どもから目を離せないために無理という親が多いでしょう。

特に授乳していると使用できる薬にも制限があり、我慢するしかないということもあります。

作業に応じて道具を用意したり環境を整備し、無理のない姿勢でできるようにすることで、負担を軽減できるよう工夫しましょう。

(監修:Doctors Me 医師)

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