ルーマニア監督のナスターゼが暴言で退場処分 [フェド杯ワールドグループ2部プレーオフ]

テニスデイリー

ルーマニア監督のナスターゼが暴言で退場処分 [フェド杯ワールドグループ2部プレーオフ]

 フェドカップ・ワールドグループⅡ・プレーオフ「ルーマニア対イギリス」(4月22、23日/ルーマニア・コンスタンツァ/クレーコート)の初日が終了し、シモナ・ハレプ(ルーマニア)とジョハナ・コンタ(イギリス)の両国エースがそれぞれ勝ち星を挙げた。

 この日の対戦では、ルーマニア監督のイリー・ナスターゼが、選手および審判に対して暴言を吐いたとして退場処分となる騒ぎがあった。70歳のナスターゼは、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)の妊娠について差別的なコメントをしたあとにも、イギリス人ジャーナリストに対して侮辱的発言を浴びせていた。

 国際テニス連盟(ITF)会長のデビッド・ハガティは、「ナスターゼの態度は受け入れられないものであり、これに関し調査を開始した」とナスターゼを非難した。「選手、当局者、メディア、ファンは、どんな暴言にも我慢するべきではない」とハガティはコメントしている。

 第2試合でコンタがソラナ・シルステア(ルーマニア)から6-2 1-2とリードしていたところで、どうやらナスターゼが客席からの叫び声に巻き込まれてしまったようだ。ナスターゼはコンタ、イギリスチーム監督のアン・ケタボンヌや審判に罵声を浴びせた。その後、主審のアンドレア・エグリから退場を命じられ、ロッカールームに連行されていった。

 スポーツマンらしくない行動をとったナスターゼに対して、エグリがコートからの退場命令を下したとITFは説明した。ナスターゼはこれまで、すでに2度戒告を受けていた。ナスターゼの監督認定は解除され、ITF裁決委員会は今後、ナスターゼに対する制裁措置を決定する。

 やがて試合は再開されて、コンタが6-2 6-3でシルステアを倒し、これで両国の対戦は1勝1敗のタイとなった。これに先立つ試合では、ハレプがヘザー・ワトソン(イギリス)を6-4 6-1で下し、ルーマニアが先勝していた。

 イギリス通信協会は、この事件に加え、ナスターゼのセレナについてのコメントを報道したイギリス人ジャーナリストのエリナ・クロックス氏に対して、ナスターゼが「どうしてあれを書いたんだ。お前は馬鹿だ。お前は馬鹿だ」と暴言を浴びせ、このような暴言が2分以上続いたと伝えた。

 「彼は繰り返し私を馬鹿と言い、差別発言をなぜ書いたと聞いてきたんだ。だから私たちはナスターゼが言ったことを率直に書いただけで、人種についてのあのようなコメントは必要なかったと彼に説明した。幸運にも私は彼から離れた場所にいて、ほかのジャーナリストたちも周りにいたので、怖いというより不愉快だったよ。彼のような立場の人間がとる態度ではないよね」とクロックス氏はコメントした。

 ナスターゼは現役時代にナスティ(たちの悪い)というニックネームがついていたことで知られている。戦績はシングルスで2度グランドスラム・タイトルを獲得し、1970年代に世界ナンバーワンにもなっている。1985年に現役を引退し、1991年にはテニス殿堂入りを果たした。(C)AP(テニスマガジン)

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