ながら食べ、ながら見は危険!マルチタスクによる身体への悪影響3つ
いろんな事を同時にこなす、とても器用な人がいますよね。でも、作業効率などを考えたときに、 果たしてどれほどの効果があるのでしょうか?また、体への影響や健康リスクは?
今回は医師の視点から、マルチタスクにおける体への影響について、改善方法も含め、詳しく解説していただきました。
マルチタスクとは?

元々はコンピューター用語で、1つのコンピューターに複数の作業を並行して行わせることを指します。
転じて「テレビとスマホを見ながら食事する」「携帯電話で会話しながら車を運転する」または「仕事のプロジェクトを複数抱えて同時進行する」というような意味に使用されることもあります。
マルチタスクが増えた背景

スマートフォンの普及により、いつでも情報に接することができてしまうことや、仕事で要求される内容が増えて同時に複数のことをせざるを得ないことなどが背景にあると考えられます。
マルチタスクは「コルチゾール」が増える?

マルチタスクに限らず、ストレスになるようなことがあると、副腎という腎臓の上にある小さな臓器から、コルチゾールというホルモンが放出されます。
コルチゾールはステロイドの1種で、血圧や血糖値を上げることでストレスに対応しやすい状態に体を整えます。
マルチタスクが心身に与える悪影響

コルチゾールは生存に必須のホルモンですが、長期間コルチゾールが多い状態が続くと、 糖尿病や 高血圧になりやすくなります。
ストレスが 生活習慣病や 動脈硬化を引き起こす理由の一つが、このコルチゾールの増加です。
脳の老化
コルチゾールが高いことにより脳にも影響が起こりうると言われており、記憶や学習をつかさどる海馬(かいば)の萎縮、脳細胞の減少から、脳の老化や認知機能低下が起こることがあります。
無気力、不安感
ストレスが長期化すると、副腎が疲れ切ってしまい、コルチゾールの分泌量が減ります。
コルチゾールが減ることによって、全身のだるさや無気力、不安感につながる可能性もあります。 マルチタスクは男女で違いはある?

古代から、女性は集団で子育てをし、おしゃべりをしながら子供の要求に答え、同時に料理や作物の収集をするなど、マルチタスクを行ってきましたが、男性は、集中して狩りをし、その間は他のことに気を取られないほうが有利でした。
現在でも、男性は仕事中に他のことが目に入らなくなるから、女性からメールが来ても答えられないのは男女の脳の違いで仕方がない、などと言われます。
マルチタスクに関する研究
研究によると、女性のマルチタスク能力は月経周期とともに変動し、月経前後よりも排卵期には並行処理をこなすことが不得意になると報告されています。
しかし、マルチタスクをこなせるかどうかは性別の差よりも個人差が大きく、作業記憶(ワーキングメモリ)と呼ばれる、情報を保ちながら操作する能力が優れた人はマルチタスクに向いています。 ながら食べ、ながら見の健康リスク

ながら食べ
食事の味を味わいにくくなり、よく噛まずに早食いになりがちです。早食いは満腹感を感じにくくするため、食べ過ぎてしまうことが多くなります。
すると血糖値が上がりすぎて、その後インスリンの大量分泌によって逆に低血糖になり、眠気やイライラ感・集中力の低下につながります。食べ過ぎは当然肥満につながります。噛まないことで胃に負担がかかります。
ながら見
他のことをしながら、テレビ、読書など目で情報を取り入れることです。
例をあげると、スマホをしながら歩いたり、自転車や自動車を運転することで、ホームからの転落、他人との衝突、自動車事故などのリスクがあることは明らかです。
マルチタスクの改善方法

やらなければならないことが複数ある場合、リストを作り、優先順位を決め、優先度の高いものから集中して行うようにすることで、脳の負担を減らし、作業効率も上げることができると考えられます。 マルチタスク予備軍かも?セルフチェック

□ スマホが手放せない
□ 机の上がごちゃごちゃしており、手を付けかけた書類であふれている
□ 重要な約束や締め切りを忘れてしまったことがある
□ やりかけの仕事が多いので、追加で何か頼まれるとイライラする
□ いつも疲れていて、やる気が出ない
最後に医師から一言

人間の脳の機能は未知な部分が多く、脳のほとんどは使われていない、脳の容量は膨大であると言われることもあれば、同時に複数の作業をすると負担がかかると言われることもあります。
実際にはどうなのか、今後の研究が待たれるところです。
(監修:Doctors Me 医師)