世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第219回 緊迫の北朝鮮危機 (1/3ページ)

週刊実話

 この号が発売されるころには事態が大きく動いているかもしれないが、北朝鮮危機が緊迫している。本稿執筆時点で、アメリカは原子力空母カールビンソンを主力とする空母打撃群を朝鮮半島に向けて航行させている。

 日本経済新聞は4月12日に《北朝鮮攻撃なら事前協議 米、日本政府と確認》というセンセーショナルな見出しの記事を報じた。アメリカが軍事行動に踏み切る場合、日本政府が事前協議をすることを要請し、米側も応じる意向を示したとのことである。
 またロイター通信によると、海上自衛隊は朝鮮半島の近海に向けて航行中の米空母カールビンソンと共同訓練を検討しているとのことである。「戦闘」のリスクが高まっている海域で、海上自衛隊がアメリカ海軍と共同訓練を実施する。時代は、大きく変わりつつある。

 北朝鮮の核・ミサイル危機は、もともと“デッドライン”がある話であった。アメリカは北朝鮮が「核の小型化」に成功するか、もしくは北米大陸まで届く大陸間弾道弾を開発することは、絶対に許さない。その「前」の時点で、アメリカは確実に北朝鮮に対する軍事行動を起こすはずだ。
 アメリカが北朝鮮をミサイル攻撃、あるいは爆撃した場合、北朝鮮軍はソウルに砲弾の雨を降らせる可能性が高い。何しろ、ソウルと国境は40キロしか離れていないのだ。ソウルに長射程砲の弾丸が降り注ぐと、万単位の死者、数十万単位の負傷者が出るのは確実と考えられている。
 それでも、アメリカは北朝鮮に対する軍事的圧力を強めている。将来的に、北朝鮮がアメリカにまで届く核ミサイルを保有するリスクと、今、ソウルを砲撃されるリスクを比較し、前者の方が「重い」と判断したのではないだろうか。

 また、今回の北朝鮮危機の深刻化には、中国国内の事情も絡んでいる。多くの日本国民が勘違いをしているが、中国は決して「一枚岩」ではない。中国指導部は現在、「習近平派」と「江沢民派(上海派、吉林閥)」の二つに分裂した状況にある。
 中国共産党序列3位の張徳江、5位の劉雲山、7位の張高麗の3人は、江沢民派に属している。彼らこそが、軍閥で言えば北部戦区(旧、瀋陽軍区)を「領有」し、北朝鮮や金正恩の後ろ盾になっているのだ。

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