【医師監修】正しいニキビの治し方って? ニキビの種類と原因
スキンケアをがんばっているのに、なぜかニキビができる……このようなニキビの悩みを持つ女性は少なくないのではないでしょうか? そこで今回は、ニキビの種類や原因、正しい治し方について、皮膚科医の宇井千穂先生に解説してもらいました。
■大人ニキビと思春期ニキビのちがい思春期のニキビは、成長時に必要なホルモンの分泌により、皮脂腺の機能が強まり、皮脂が過剰に作り出されて毛穴が詰まることでできます。思春期の場合、毛穴が完全に発達しきっていないため、小さい毛穴に過剰な皮脂がたくさん詰まることが原因です。
一方、毛穴が発達し終わった大人のニキビは、皮脂腺機能を強める男性ホルモンの分泌により、皮脂が過剰に作られてしまうことでできます。これは、ホルモンバランスが崩れて、女性ホルモンより男性ホルモンが優位になることが原因です。また、肌のターンオーバーが遅くなったり、肌の手入れを怠ることで、皮膚が乾燥し、角質が厚くなったり、バリア機能が低下することで、より悪化します。そのため、毛穴の角化が進んでしまい、毛穴が閉じられてしまう状態に。さらに、閉じられた毛穴にアクネ菌が増殖することで、炎症ニキビへと悪化してしまうのです。
■【症状別】ニキビの種類と原因 (1)微小面皰(めんぽう)微小面皰は、初期のニキビ。面皰は、ホルモンの分泌にともなう皮脂腺機能が強まることで、皮脂が過剰に産生されたり、毛穴の角化が進むことにより、毛穴が閉じられてしまった状態です。
(2)閉そく面皰皮膚の中に見える、黄白色のニキビです。この色は、角栓によるもの。角質の影響で毛穴が閉じられてしまい、毛穴を取り囲む組織層である毛包の中に皮脂がたくさん詰まった状態です。通常、かゆみなどの自覚症状はありませんが、これが悪化すると、炎症性ニキビになってしまいます。
(3)開放面皰微小面皰は、毛穴が開口して、黒い点のように見えるニキビです。前述の閉そく面皰の状態から、毛穴の出口が開くことによって発生します。毛穴の出口やその周囲に存在するメラニン色素、皮脂に付く汚れから、黒い点が形成されると考えられています。
(4)炎症性ニキビ炎症性ニキビは、赤いニキビのことです。これは、皮脂や毛包の中にいるアクネ菌が関係しています。アクネ菌は皮脂を好むため、毛包内に皮脂が多く詰まると、数が増えていきます。それにより、毛包内が刺激されて、皮膚や毛包内の組織が破壊されてしまいます。
(5)ニキビ痕ニキビの症状が落ち着いたあと、ニキビ痕を形成することがあります。前述の炎症性ニキビによって、皮膚や毛包内の組織が壊されてしまうことが原因。修復次第によっては、クレーターのように残ってしまうことがあります。
■【種類別】ニキビの治し方ニキビができる原因は、ホルモンバランスや皮脂の過剰分泌、角化異常、細菌感染による可能性があることがわかりました。しかし、家族性(遺伝的なもの)であったり、食事や化粧品、外的刺激などの後天的な要因など、複数の要因が関与すると言われています。
(1)生活習慣の改善規則正しい生活をして、ホルモンバランスを整えましょう。便通をきちんとすることも重要です。洗顔方法や、化粧品の見直しをして、お肌への外的刺激を避けてください。
(2)保湿をするニキビの人はお肌を乾燥させがちですが、皮膚を乾燥させると、角質が厚くなってしまったり、乾燥により皮膚のバリア機能を低下させることにつながります。しっかりと保湿をしましょう。
(3)ていねいなスキンケア洗顔はしっかり泡立てることで、皮膚への摩擦を軽減させるように洗うのがポイント。また、毛穴を塞ぐことのないように、油分の少ないファンデーションを選ぶのがオススメです。
■まとめニキビの種類によっては、クレーターになってしまう可能性も。できればニキビ跡は残したくないですよね。そのためには、日ごろからスキンケアに力を入れたり、生活習慣を整えるように努力してみるといいのではでないでしょうか? もしセルフケアでもよくならない場合は、病院で診てもらいましょう。
(監修:宇井千穂)
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