ご隠居さんのエネルギッシュさに脱帽!実は伊能忠敬のあの偉業も隠居後なんです (1/2ページ)
隠居というと、ひっそりと地味な暮らしのイメージがありませんか?江戸時代の隠居は、今の定年退職とはまったく異なり、自分の意志で第一線から身を引きました。さぁこれからあれをやろう!といった具合に、前から取り組みたかったことを始めるのです。隠居後に若々しさが増していく人も、少なくなかったはず。
伊能忠敬の隠居後伊能忠敬も、バイタリティ溢れる隠居者の一人でした。伊能忠敬と言えば日本で最初に実測地図を作ったことで有名ですが、それは隠居後のことだったのです。リタイア後とは思えぬほどの、すごいエネルギーですよね!
50歳のとき隠居し始めた忠敬は、翌年には下総佐原から江戸深川へ引越し、念願だった観測をスタートします。息子に問屋などを譲ったとき隠居分として受け取った資産の一部で、観測の機械を買ったそう。
千葉県香取市 伊能忠敬記念館所蔵
初の測量旅行へ寛政12年(1800年)、忠敬56歳のときには蝦夷地の東端まで測量し、精密な地図を作成しました。幕府は、ここまで完成度が高いものができると思わなかったようで、この測量旅行にはお金を出していませんでした。なんと、忠敬の自己負担による測量で、幕府としては経費を自分で払うなら測量してもよい、ということだったそう。